中国、全要素生産性の向上を促進、経済成長の潜在力を引き出す

(中国)

北京発

中国の新華社は2月26日、2013年から2023年までの期間において、中国の全要素生産性(TFP)は年平均2.2%の伸びを示し、世界の主要な120のエコノミー(国・地域)の中で第3位となった、と報じた。加えて、同成長は科学技術イノベーション力の向上によるものだと指摘した。

報道では、中国は基礎研究への投資拡大や技術の革新・改良向けの再貸付限度額の増額、産業基盤再構築プロジェクトの深化や「AIプラス(人工知能+)」行動の全面的な実施(2025年9月3日記事参照)などを通じて、科学技術と産業の両面からイノベーションを推進し、技術要素の活力を高めることで、TFPの着実な向上を図ってきたと解説した。

国家統計局が2月28日に発表した「2025年国民経済社会発展統計公報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、中国の2025年の研究開発(R&D)支出は前年比8.1%増の3兆9,262億元(約86兆3,764億円、1元=約22円)となり、対GDP比は2.8%だった(注)。うち、基礎研究向け支出は11.1%増の2,778億元で、R&D支出全体に占める割合は7.1%となった。また、国家統計局の盛来運副局長の説明によると、2025年のハイテク製造業の増加額(付加価値ベース、以下同)伸び率は前年比9.4%となり、工業生産増加額に占める割合が17.1%になったほか、サービスロボット、ストレージチップ、3Dプリンターの生産量はそれぞれ16.1%増、22.8%増、52.5%増となり、ハイテク製品の輸出額が13.2%増加した。

また、報道では、エネルギーや炭素排出権などの取引市場の整備(2025年9月1日記事参照2026年2月16日記事参照)、就業地での社会保険加入に関する戸籍制限の全面撤廃などによる労働力・人材の円滑な流動の促進、高水準の開放を通じた国内外市場の連結による、データなど新たな生産要素の流動性向上など、要素配置の最適化に向けた改革がTFPの向上につながったと説明した。

国務院発展研究センター産業経済研究部の許召元副部長は、中国経済の成長ポテンシャルを引き出すカギはTFPの着実な向上にあるとの見方を示した。そのうえで、関連研究の試算によれば、2035年までに社会主義現代化を基本的に実現するためには、今後、同年までの期間においてTFPを年平均2%程度成長させる必要があると指摘した。

(注)「2025年国民経済社会発展統計公報」によると、中国の2025年のGDP(名目)は140兆1,879億元となり、同年の実質GDP成長率は5.0%だった(2026年1月20日記事参照)。1人当たりGDP(名目)は前年比5.1%増の9万9,665元となった。

(張敏)

(中国)

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