スイス中銀、政策金利を3会合連続で0%に据え置き、中東情勢を踏まえ為替介入も示唆

(スイス、中東)

ジュネーブ発

2026年03月25日

スイス中央銀行(SNB)は3月19日、政策金利を0%に据え置くと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2025年6月の会合で政策金利を0%に引き下げて以降、3会合連続で政策金利を据え置いた(2025年6月20日記事および2025年9月26日記事2025年12月15日記事参照)。9年ぶりに利下げした2024年3月の会合以降、6会合連続で利下げを進めてきたが、2025年6月の会合で政策金利が0%に達しており、マイナス金利への引き下げは今回も見送られた。

今後数四半期の条件付きの消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)予測は、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰により、短期的なインフレ予測が2025年12月よりも高くなっているが、中期的なインフレ圧力は、スイス・フラン高によりわずかに低くなるとしている。具体的には、2026年の平均インフレ率は0.5%、2027年は0.5%、2028年は0.6%と予測しており、2026年は2025年12月の予測と比べて0.2ポイント増、2027年は0.1ポイント減となっている。この予測は、SNBの政策金利が予測期間中、0%に維持されることを前提としている。

SNBは中期的な価格安定を確保するために、状況を引き続き注視し、必要に応じて金融政策を調整するとしている。また、中東情勢を踏まえて、SNBの外国為替市場への介入意欲が高まっている。SNBは、スイス・フランの急速かつ過剰な上昇に対抗することで、スイス国内の物価安定を脅かす事態を回避する意向を示している。

2025年第3四半期に縮小したスイスのGDP成長率は、化学・医薬品産業が同四半期の落ち込みから上昇に転じたことにより、第4四半期に再び成長した。また、サービス産業は成長を続けている(2026年3月2日記事参照)。SNBの分析によると、今後数カ月のスイス経済の見通しには不確実性があり、短期的には成長がやや鈍化するが、中期的には一定の回復が見込まれる。現時点では、2026年通年のGDP成長率が約1%、2027年が約1.5%と予測している。SNBは、スイス経済見通しに対する主なリスクは、世界経済の動向であるとし、特に中東情勢が世界の経済活動を抑制し、スイス・フランの上昇圧力を高める可能性を指摘している。

(田中晋)

(スイス、中東)

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