2025年のEU乗用車市場、初めてハイブリッド車が最多に、EV需要全体も持ち直し
(EU)
ブリュッセル発
2026年01月29日
欧州自動車工業会(ACEA)は1月27日、EUの2025年の乗用車の新車登録台数(暫定値)は前年比1.8%増の1,082万2,831台だったと発表した(プレスリリース
)。主要市場のうち、スペインは2桁台の伸び率(12.9%増)だったが、ドイツは微増(1.4%増)、フランス(5.0%減)とイタリア(2.1%減)は前年から減少となった(添付資料表1、図1参照)。
燃料タイプ別では、電気自動車(EV)市場で初めてハイブリッド式電気自動車(HEV)がガソリン車を上回って首位となり、登録台数は前年比13.7%増の約373万台(構成比34.5%)だった。EVは、最大市場のドイツが復調し(2026年1月16日記事参照)、スペインやイタリアなどで大幅に登録台数が伸びたことを受け、バッテリー式電気自動車(BEV)が29.9%増の約188万台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が33.4%増の約102万台となった。それぞれ全体の17.4%、9.4%を占めた。対照的に、ガソリン車は18.7%減の約288万台(構成比26.6%)、ディーゼル車は24.2%減の約96万台(構成比8.9%)まで減少した(添付資料表2、図2参照)。
主要メーカーグループ別の市場シェアは、フォルクスワーゲン(VW、27.6%)、ステランティス(15.3%)、ルノー(11.5%)の順だった(添付資料表3参照)。日系メーカーは、ホンダ(前年比12.6%増)以外は登録台数が前年を下回り、2024年に4位だったトヨタは6.3%減、シェア7.4%(5位)に後退した。また、テスラは2024年以上に著しく減少し(37.9%減)、市場シェアは1.4%に低下。一方、中国メーカーは依然として市場シェアは低いものの、登録台数は、上海汽車(SAIC)は33.9%増、比亜迪(BYD)は前年の3倍超と大きく伸び、EUの相殺関税措置にもかかわらず好調だった(2026年1月27日付地域・分析レポート参照)。
EV生産は増加も、総生産台数は低迷、新たなEUの政策動向に注目
2024年に低迷したEV需要がやや持ち直したのは、生産台数にも表れた。欧州自動車部品工業会(CLEPA)の2026年1月14日付発表
によると、EUの2025年のEVの生産台数予測値は、2023年(約480万台)には及ばないものの、前年比23%増の約330万台となり、乗用車の総生産台数の約25%に相当する。2026年もEV生産は増加する見込みだが、総生産台数は今後も2019年(新型コロナ禍前)を下回る水準で推移すると予測する。生産台数の減少は雇用にも影響し、自動車部品業界では2024年(5万4,000人)に続き、2025年は5万人の人員削減が発表され、危機感が高まっている。
欧州委員会は2025年12月に、新たな自動車産業支援パッケージ(2025年12月25日記事参照)を発表した。2026年には原材料・部品などの域内調達推進も含む産業促進法案など(2025年12月8日付地域・分析レポート参照)を発表予定としており、自動車産業の立て直しを急ぐための新たな政策動向にも注目が集まる1年となる。
(滝澤祥子)
(EU)
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