米USTR、エルサルバドルとの相互貿易協定に署名
(米国、エルサルバドル)
ニューヨーク発
2026年01月30日
米国通商代表部(USTR)は1月29日、エルサルバドルとの相互貿易協定に署名したと発表
した。米国は2025年11月に、ほかの中南米諸国とともにエルサルバドルと相互貿易協定の枠組みで合意していた(2025年11月18日記事参照)。
協定では、広範なエルサルバドル産品に対して相互関税を課さないことを決めた。相互関税がゼロになる品目は、協定付属書1のスケジュール1A、1B、2A、2Bに掲載されている。米通商専門誌インサイドUSトレード(1月29日)によれば、医薬品、航空機部品、パーム油などのほか、アボカド、コーヒー、ココナツ、パイナップル、マンゴー、バナナといった農産物が対象になる。また、米国とエルサルバドルも参加するドミニカ共和国・中米・米国自由貿易協定(DR-CAFTA)の原産地規則を満たすエルサルバドル産品も、相互関税の対象外となる。それ以外の品目に対する相互関税率は、10%が上限に設定された。
エルサルバドルとの協定の内容は、関税、非関税障壁から農業、労働、環境、デジタルサービス税、国家・経済安全保障などまで、これまでにマレーシアやカンボジアなど結んだ内容と同様に(2025年10月28日記事参照)、多岐にわたる。協定でエルサルバドルは、米国の農産品に対する非関税障壁の撤廃や米国を差別するデジタルサービス税の賦課禁止などのほか、強制労働産品の輸入禁止(注1)などを約束した。また、米国が国家安全保障上の理由で関税などを課した場合にエルサルバドルも同様の措置を取ることや、米国の輸出管理と整合するよう努力することなども約束した。なお、エルサルバドルが国家・経済安全保障問題への対応に協力していると米国が判断した場合、米国はそれを考慮して輸出管理などの措置を行うことも定めた(注2)。
エルサルバドルとの協定が、トランプ政権発足以降、初めての米州地域との相互貿易協定となる。ジェミソン・グリアUSTR代表は協定について、「ラテンアメリカにおける戦略的パートナーシップの深化に向けた重要な一歩」と評価している。
(注1)米国では、1930年関税法307条に基づき、強制労働などによって生産された物品の輸入が禁止されているほか(2026年1月21日記事参照)、中国の新疆ウイグル自治区で生産などした物品を強制労働の利用があるとみなし、輸入を禁止するウイグル強制労働防止法(UFLPA)がある(2025年8月20日記事参照)。
(注2)マレーシアなどとの相互貿易協定の経済安保条項もほぼ同じ内容となる。
(赤平大寿)
(米国、エルサルバドル)
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