第8回上海輸入博の開催、ジャパンパビリオンには148社が出展

(中国)

デジタルマーケティング部プラットフォームビジネス課

2025年11月20日

輸入品特化型の総合見本市である「中国国際輸入博覧会(CIIE、上海輸入博)」の第8回が11月5~10日に上海市の国家会展中心で開催された(2025年11月11日記事参照)。

ジェトロは、JAPAN MALL事業の取り組みの一環として、ジャパンパビリオンを設け、「酒から始まる新たな世界の発見」をテーマに、148社の商品を展示した(注1)。

日本産農林水産物・食品の対中国輸出額は、2025年1~9月の累計で1,306億円となり、前年同期比10.5%増と回復基調にある。ジェトロでは、日本産農林水産物・食品のさらなる認知度向上および販路拡大につなげるべく、ジャパンパビリオンにおいて日本酒・焼酎・泡盛などの酒類や菓子などさまざまな品目をPRした。会場では、展示品の試食・試飲提供に加えて、ステージで中華料理と日本酒のペアリグなどを実施した(2025年11月19日記事参照)ほか、China Japan Street事業(CJS、日本商務館)のオンラインカタログ・商談サービスも来場者に紹介し、専門バイヤーの誘致を図った。

出展した日本企業からは、「会場に訪れた小売店のバイヤーに対し、中国に輸入したばかりの商品を効率的に提案でき、成約につながった」「WeChat(微信)やRED(小紅書)といった中国国内で使用されるSNSのフォロワーを増やすことができた。今後も定期的にフォロワーに対し商品案内やプロモーションを実施したい」といった声が聞かれた。

来場した中国バイヤーからは、「近年、EC(電子商取引)サイトでの販売比率が高まっており、ECで販売する新商品を探しに来た。普段取引がない企業と一度に複数商談ができるのはありがたい」といった声があった。

今回のジャパンパビリオンには、インバウンド需要の拡大を背景に自治体エリアも設置し、10自治体(注2)が出展した。首都圏の宿泊価格高騰を背景に、地方での宿泊を呼びかける目的で出展した自治体からは、「観光名所や地域特産品と組み合わせた宿泊を含むモデルコースを紹介したところ、興味を持つ来場者が多数いた」といった、日本の地方への関心の高まりを実感する声も寄せられた。

写真 ジャパンパビリオンの様子(上海炫飛広告有限公司提供)

ジャパンパビリオンの様子(上海炫飛広告有限公司提供)

写真 試飲ブースで日本酒を味わう来場者(上海炫飛広告有限公司提供)

試飲ブースで日本酒を味わう来場者(上海炫飛広告有限公司提供)

(注1)同取り組みの詳細はジェトロの2025年10月29日付「お知らせ・記者発表」を参照。

(注2)北海道、岩手県、横浜市、石川県、福井県、愛知県、福岡県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の10自治体。

(黒澤怜央)

(中国)

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