第8回上海輸入博が開催、李首相は「平等・公正・開放」を軸に国際協力を呼びかけ

(中国)

上海発

2025年11月11日

第8回「中国国際輸入博覧会(CIIE、上海輸入博)」が11月5日、上海市の国家会展中心で開幕し、11月10日まで開催された。

5日午前に行われた開幕式には李強首相が出席した。このほか、ジョージアのイラクリ・コバヒゼ首相、セルビアのジュロ・マツット首相、ナイジェリアのタジュディーン・アッバス下院議長、スロベニアのマルコ・ロトリッチ国民評議会議長、アラブ首長国連邦(UAE)のディヤブ・ビン・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領特使、国連工業開発機関(UNIDO)のゲルト・ミュラー事務局長ら各国の首脳級を含め、155カ国・地域および国際機関から約1,500人が出席した。

李首相は演説で、上海輸入博を「世界経済が中国経済へとつながる玄関口であると同時に、中国と世界を結びつける重要な架け橋」とした。また、上海輸入博が年々規模を拡大しているのは「世界と利益を分かち合う(与天下同利)」という理念を一貫して守ってきた結果」だと強調した。一方で、現在の国際社会では「一部の単独主義や保護主義の動きが見られ、それが国際経済の貿易秩序を深刻に損ない、世界経済の運行を混乱させている」と指摘。「国際経済活動において、どのような価値理念を堅持すべきかが、ますます重要で現実的な問題となっている」とした上で、次の3点を強調した。

  1. 平等互恵の協力と自由貿易の理念を堅持し、世界経済の不確実性の中で協働による発展を通じて矛盾や問題の解決を図る
  2. 各国が運命を共にする時代において、「義と利」を調和させ、相互支援と公平主義を基本に国際秩序の安定を図る
  3. WTOを中核とする多国間貿易体制の改革・改善を推進し、グローバル・ガバナンス構想の実践を通じて、より公正で持続的な国際経済秩序の構築を目指す

加えて、李首相は、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で可決された「第15次5カ年規画」のコミュニケにも言及し、今後の中国経済の発展について、次の2つの確実性をもたらすとした。

  1. 経済建設を中心に高品質な発展を推進し、世界経済の成長に新たなかたちで貢献する「発展の確実性」
  2. 高水準の対外開放、制度型開放、サービス業開放の試行モデルを推進する「開放の確実性」

(伊藤彩菜)

(中国)

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