エジプト・EUフォーラム、ブリュッセルで開催、40億ユーロ支援で合意

エジプト・EU首脳会議が10月22日、ベルギーのブリュッセルで開催された。エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領、欧州委員会（EC）のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、欧州理事会（EU首脳会議）のアントニオ・コスタ常任議長らが参加した。エルシーシ大統領にとっては初のブリュッセル訪問だった。

この首脳会談は、2024年3月にエジプトとEUの関係が戦略的・包括的パートナーシップのレベルに引き上げられ（2024年3月21日記事参照）、2024年6月にフォン・デア・ライエン氏がエジプトを訪問し第1回エジプト・欧州投資会議を開催したことに続くものだ。

エジプトのラニア・マシャート計画・経済開発・国際協力相とバルディス・ドムブロフスキスEU委員（経済・生産性・規制実施担当）は、エジプトに対する40億ユーロ規模の第2次マクロ金融支援（MFA）パッケージの覚書に署名した。

マシャート計画・経済開発・国際協力相はまた、ドゥブラブカ・シュイツァEU委員（民主主義・人口問題担当）と、地方レベルで社会経済改革を実施するEU支援プログラムへの資金提供協定に署名した。

エジプトのバドル・アブデル・アティ外務・移民・在外エジプト人相とエカテリナ・ザハリエバ EU委員（研究・イノベーション）は、EUの研究開発支援プログラム「ホライズン・ヨーロッパ」（2023年9月11日記事参照）にエジプトがパートナー国として加盟する覚書に署名した。

EUのカヤ・カッラス外務・安全保障政策上級代表との会談では、エルシーシ大統領は、リビア、スーダンなどから逃れてきた約1,000万人の外国人を受け入れているにもかかわらず、不法移民船の出航を阻止するなど、エジプトの努力により欧州は安定が保たれていると主張した。また、10月13日に米国のドナルド・トランプ大統領らも参加した、ガザ地区の戦争終結のためエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催された国際首脳会議の共同文書達成（2025年10月15日記事参照）においてエジプト政府が果たした役割を述べた。カッラス氏は、EUがシャルム・エル・シェイクでの合意に則してガザ地区の復興努力を支援し、同時にウクライナにおける戦争の終結と国際法尊重の重要性も強調した。

（西澤成世）