マニラでAFEX開催、日本企業が食品加工機器や新技術を披露
(フィリピン、日本)
マニラ発
2025年10月06日
フィリピンのマニラ首都圏で2025年9月3~6日に、地場企業1SCグループ主催の食品関連展示会「第31回アジアフードエキスポ(AFEX)」が開催された。展示会には193社が506ブースを構え、食品加工・包装機械、食品原料や香料に強みを持つ企業が多く出展し、来場者は約6,200人に上った。
AFEXの様子(ジェトロ撮影)
出展者のうち、日本企業も存在感を示し、オーディオテクニカ(東京都)は、業務用シャリ玉成形機など、すしやのり巻きの調理に役立つ機器を展示した。同社の澤田誠悟氏は「5~6年前からフィリピンの代理店と契約し、毎年マニラの見本市に出展している。現地市場では日本食の人気が根強く、需要は拡大している」と語った。
同展示会に初めて出展するマスターマインド(長野県)は可食インクを使用し、ケーキプレートやクッキーに直接印刷できるフードプリンターを披露した。小沢啓祐代表取締役は「日本国内ではケーキ店やアニメ関連カフェで導入実績があり、フィリピンでも市場を広げたい。現地インクが使える点も強み」と述べた。これら2社を含む複数社の販売代理店として出展したJMCool Solutions (ブランド名:Coolmach) 社長のジェリー・ミデル氏は、AFEX出展のメリットとして、1ホールのみと小規模だが、質の高い来場者に出会え、かつ出展料が安価である点を挙げた。
Coolmachのブースで、フードプリンターの実演に集まる来場者(ジェトロ撮影)
ジェトロは広報ブースを設置し、「Japan Street」や「日本食材サポーター店認定制度」の紹介を行い、特に抹茶やラーメンスープなど日本食材の調達に関する問い合わせが多く寄せられた。有機抹茶を出品したCHADO(大阪)はフィリピンでの売り込みが初めてだったが、会期初日からHORECA(注)などから数々の引き合いがあり、目的のパートナー探しに手応えを感じている様子だった。
なお、フィリピンではAFEXのほか、IFEX PhilippinesやMAFBEX
、WOFEX
など食品関連の大型展示会が例年開催されている(添付資料表参照)。
フィリピン食品市場は、2024年から2029年にかけて年平均8%の成長が見込まれる有望市場だ。各展示会は規模や来場者層、テーマが異なるため、自社の製品やターゲットに応じて適切に選択することが、現地でのビジネス拡大に向けた重要な一歩となる。
(注)HORECA(ホレカ)とは、Hotel、Restaurant、Cafe/Cateringの頭文字を取った用語で、飲食店ビジネスを意味する。
(笠間彩、コミヤ・レックスリーロレイン)
(フィリピン、日本)
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