中国工業情報化部、自動運転レベル2の安全基準草案を公表

(中国)

上海発

2025年09月25日

中国の工業情報化部は9月17日、「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)」の自動運転支援(レベル2)システムに関する国家安全基準の草案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、草案)を発表し、意見公募(パブリックコメント)を始めた。公募は11月15日まで実施する。

自動車関連の標準規格などを策定する中国汽車技術研究センター(CATARC)によれば、草案の作成は2024年初頭から始まった。同センターは、国内外の自動車メーカー、自動運転支援システムサプライヤー、測定機関、研究機関などと協力しながら、安全基準に対する検証・試験を重ねて草案の内容を改定したという。

草案では、レベル2を導入する場合、運転操作の負担を軽減することになるが、運転手がハンドルから手を離すことはできず、自ら運転しなければならないと定めている。レベル2は、レベル3(条件付き運転自動化)、レベル4(高度運転自動化)、レベル5(完全自動化)と違って、「自動運転」ではないことも明記している。

中国では近年、安全性と快適性につながる自動運転機能の有無が消費者の購入判断を左右する重要な要素になっている。中国汽車工業協会(CAAM)によると、2025年1~7月のレベル2システムを搭載する乗用車の販売台数は前年同期比21.3%増の776万台で、新車販売台数全体に占める比率も6.5ポイント増の62.6%に高まった。一方、自動運転に関する基準規格がなく、一部の自動車メーカーでは、「運転支援」と「自動運転」の違いを意図的に明確にしなかったために交通事故につながったケースが相次いでいる。これも工業情報化部が基準規格レベル2の策定を急ぐ背景の1つだ。

(劉元森)

(中国)

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