南アのラマポーザ大統領、パレスチナ支援継続を表明

(南アフリカ共和国、パレスチナ、フランス、イスラエル、米国)

ヨハネスブルク発

2025年09月24日

国連総会出席のため訪米中の南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は9月22日、「パレスチナ問題の平和的解決及びに二国家解決の実現のためのハイレベル国際会議」で声明を発表し、あらためてパレスチナ支援とパレスチナ国家創設への支持を表明した。この会合は、イスラエルのガザ地区への攻撃激化に対する懸念から、パレスチナ国家を承認する動きが加速する中で開かれた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領も同会合で、パレスチナ国家承認を宣言した。G7諸国の中では英国、カナダに続いて3カ国目となる(2025年9月22日記事参照)。

南アの政権与党アフリカ民族会議(ANC)の源流は、かつて南アで行われていた人種隔離(アパルトヘイト)政策への抵抗・解放運動であり、南ア政府の「パレスチナ解放運動」への連帯や支援の立場は一貫している。南ア政府はイスラエルのガザ地区への攻撃に対し、2024年12月29日、集団殺害罪の防止と処罰に関する条約(ジェノサイド条約)に基づいて、国際司法裁判所(ICJ)にイスラエルを提訴した(2024年1月12日記事2024年2月1日記事参照)。

ラマポーザ大統領は声明の中で、「イスラエルがパレスチナ国家の樹立を事実上不可能にしようとしているが、世界の大多数はこの理想(二国家解決)を追求し続けるべきだ」と強調した。そして「イスラエルを含むすべての国は、国際法の完全かつ普遍的な尊重、順守が求められること、国連決議、ならびにICJの暫定措置および勧告的意見を即時かつ全面的に実施することが求められる」と述べ、国際社会に対して、一致団結しての行動を呼びかけた。

一方、報道によると、米国は国際刑事裁判所(ICC)本体に対する制裁を検討しているという(9月23日付ロイター)。ICCもまた、2024年11月、ガザでの軍事攻撃を巡りイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相らに対し、戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いで逮捕状を出していた(2024年11月25日記事参照)。

(的場真太郎)

(南アフリカ共和国、パレスチナ、フランス、イスラエル、米国)

ビジネス短信 aca9199926ade7fa