メキシコ経済省、輸出自動通知(AAE)の廃止を決定
(メキシコ)
メキシコ発
2025年08月18日
メキシコ経済省は8月8日、国家貿易情報システム(SNICE)に掲載された声明文で、輸出自動通知(AAE)の義務化(2025年6月6日記事参照)の廃止を発表した。8月12日時点では連邦官報への掲載がないが、連邦官報公布の有無にかかわらず、AAEは2025年8月11日以降適用されないとした。
AAEは2025年6月3日に公布され、翌日の6月4日に施行される予定だったが、SNICEの公文書で7月7日まで延期することが公表されていた。さらに、6月18日にSNICEでよくある質問と回答(FAQ)を発表した(2025年6月23日記事参照)。6月20日には、対象品目を30品目から5品目に削減し、かつ、AAEの開始日を8月11日までの再延期が発表された(2025年6月24日記事参照)。しかし、7月15日にSNICEの公報でAAEを廃止することを公表し、全国規制改善委員会(CONAMER)と連邦官報に廃止の旨を掲載することが示された。8月1日にCONAMERには掲載されたものの、依然として連邦官報には掲載されておらず、行政の混乱がみられる。
専門家は貿易政策の不確実性を指摘
貿易分野の専門家であるペレス・ジョルカ法律事務所のフェリックス・ポンセ・ナバ弁護士は、「(貿易にとって)最も重要なのは確実性だ。確実性の欠如は突然の規制変更に加え、国際情勢や新たな貿易政策によってもたらされ、メキシコの輸出業界全体に影響を及ぼしている」とメキシコの貿易を取り巻く不安定さを指摘した。さらに、規制の不確実性や行政手続きの大幅な遅延などを引き合いに出し、メキシコは他の輸出大国よりも不利な状況にあると述べた。その上で、「法的手続きの期限を順守し、法律で定められた範囲を超えた追加要件を求めるべきではない。もし追加要件がある場合は、規制を改定し、許可を申請する者が(必要書類や手続きなど)対応する内容を明確にすべきである。最近、経済省や国税庁(SAT)は、たびたび法律の枠を超えた追加要件を(企業に)求めている」と非難した(「レフォルマ」紙8月11日付)。
(阿部眞弘)
(メキシコ)
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