現代自動車グループ、米国での投資額260億ドルへの拡大を発表
(米国、韓国)
ニューヨーク発
2025年08月28日
韓国の現代自動車グループは8月25日、米国における追加投資計画を発表した。同日には、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領とドナルド・トランプ米国大統領による米韓首脳会談が行われた(2025年8月27日記事参照)。今回の追加投資で、2025~2028年における米国への投資額は、当初の210億ドルから260億ドルに上積みされることとなった(2025年3月31日記事参照)。追加された50億ドルは、ルイジアナ州での製鉄所新設、起亜を含めたグループ全体での生産能力の拡大、年間3万基規模のロボット工場建設に充当される予定で、雇用創出規模は今後4年間で約2万5,000人にのぼると見込まれている。
米国における企業の投資案件について、米ホワイトハウスが8月15日、「トランプ効果:トランプ大統領第2期における米国の新規投資一覧(TRUMP EFFECT: A Running List of New U.S. Investment in President Trump's Second Term)」として発表した。自動車メーカー、関連サプライヤーに関しては、次のような案件が含まれている。
- ゼネラルモーターズ:40億ドルを投入し、メキシコから米国内(ミシガン、カンザス、テネシー州)への生産シフトと車両製造拡大を行う計画(2025年6月16日記事参照)。
- フォード:50億ドルをケンタッキー州およびミシガン州の製造拠点に投資し、新型ミッドサイズトラックの開発や先進バッテリー生産を推進(2025年8月15日記事参照)。
- ステランティス:50億ドルを米国内製造ネットワークに投資し、イリノイ州ベルビディア工場の再稼働などに充てる予定。
- トヨタ:ウェストバージニア州のハイブリッド車(HEV)生産ライン増強に向けた8,800万ドルの投資(2025年4月24日記事参照)。
- ジョン・ディア(建機メーカー):電動化を含む米国での事業拡大、製造能力向上などに10年間で200億ドルを投資。
- クラリオス(バッテリーメーカー):60億ドルを投じ国内生産を拡大。
また、素材関連では、オーストラリアのバッテリー会社のノボニクスがテネシー州での人工黒鉛製造に向け460万ドル、アルミ製錬のセンチュリー・アルミニウムがサウスカロライナ州拠点の再利用に5,000万ドルの投資を行う。なお、「トランプ効果」として発表される一連の投資案件に関しては、既存計画やバイデン前政権下で発表され、進行中の案件も含まれているなどの指摘も出ている(ロイター7月8日)。
(大原典子)
(米国、韓国)
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