JERAと米シェニエール・エナジー、LNG長期売買契約を締結

(米国、日本)

ヒューストン発

2025年08月15日

日本の国内外で燃料調達から発電・販売までを一貫して担う総合エネルギー企業のJERA(本社:東京都中央区)は8月8日(米国時間:8月7日)、外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます液化天然ガス(LNG)の生産と輸出を行う米国シェニエール・エナジー(本社:テキサス州ヒューストン)とLNG売買契約を締結した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。JERAは2029~2050年の約22年間、年間に約100万トンのLNGを購入する。シェニエールが推進するテキサス州コーパス・クリスティと、ルイジアナ州サビーネ・パスのプロジェクトからLNGを調達し、FOB〔Free on Board、本船渡し(注1)〕条件で取引する。同売買契約のLNG価格はヘンリーハブ価格(注2)連動で、固定の液化手数料が加算される。

シェニエールは2022年からこれまでの間に、米石油大手シェブロンや、欧州、アジアの企業10社以上(注3)と長期のLNG売買契約を締結しており、今回初めて日系企業と契約を結ぶ。JERAはシェニエール以外にも、米系3社とLNG長期売買契約を締結しており(注4)、安定供給に向けて米国だけでなく、オーストラリア企業とのLNG売買やアジアでのLNGバリューチェーン協業事業にも取り組む。

シェニエールのザック・デイビス最高財務責任者(CFO)によると、ドナルド・トランプ米大統領の「大きく美しい1つの法案法」の下、同社は2025年だけでも2億ドルの減税を見込み、収益増加につながるという(ロイター8月7日)。トランプ政権は米国のエネルギー資源採掘をはじめ、LNG輸出を奨励し、自由貿易協定(FTA)がない国へのLNG輸出許可を承認するなど、バイデン前政権が課した関連規制を撤廃・緩和してきた。また、7月にはEUがトランプ大統領と米国関税に関して大枠で合意する上で、2028年までの3年間にわたり、LNGや石油、核燃料などを含む7,500億ドル相当の戦略物資を米国から購入すると発表しており(2025年7月29日記事参照)、シェニエールのような大手エネルギー企業には追い風となっている。

(注1)国際貿易取引条件のうち、コンテナによる船積み貨物の引き渡しの取引条件で、輸出港で買い手(輸入者)の指定する船舶に貨物を積み込むことによって契約が完了し、運賃と保険料は買い手が負担する。

(注2)ルイジアナ州にある天然ガスの集積地名で、ここで売買される天然ガスの価格がニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の先物価格の指標値(基準値)となり、米国の天然ガス指標価格の呼称にもなっている。

(注3)ポルトガルのガルプ、ドイツのBASF、ノルウェーのエクイノール、中国のフォラン・エナジーや新奥集団(ENN)、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、韓国南部電力(KOSPO)や韓国のポスコ(POSCO)、タイの国営タイ石油会社(PTT)など。

(注4)JERAは2025年6月、米国エネルギー省で日米両政府高官の立ち会いの下、年間最大550万トンのLNGを調達することを表明。8月時点でネクストディケイド、コモンウェルスLNG、センプラ・インフラストラクチャーとLNG売買契約を締結している。

(キリアン知佳)

(米国、日本)

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