越日工業大学が10周年記念式典を開催、日本との提携拡大目指す
(ベトナム)
ホーチミン発
2025年07月30日
ベトナム・ホーチミン市内の越日工業大学(VJIT、注)は7月8日、創立10周年記念式典を学内で開催した。式典には、同大学の母体であるホーチミン市工業大学(HUTECH)理事会のブイ・スアン・ラム副会長やVJITのグエン・スアン・フン学長をはじめ、卒業生、現地企業の代表者らが出席した。日本側は、在ホーチミン日本総領事館の小野益央総領事をはじめ、日本の政府機関、ホーチミン日本商工会議所、日系企業などが参加し、全体で約100人が出席した。
VJITは2015年に設立された。開校以来の10年間で学生数は累計5,700人を超え、専攻は技術系35%、経済・サービス系30%、IT系26%などとなっている。2024年の卒業者数は300人で、そのうち、日本で1年間インターンシップを受けた学生数は80人にのぼる。卒業生は日本企業および在ベトナム日系企業に就職したほか、日本と取引のあるベトナム企業などでも働いている。VJITでは一時、新型コロナウイルス流行の影響で企業の雇用需要が減り、学生数も約半分に減少した。しかし、日本語プログラムを改善するなどして、現在の入学者数は約400~500人と持ち直した。フン学長は、現在、日本の企業35社、日本の大学10校と提携しているが、今後は提携先をさらに拡大したいとし、「VJITは学生と日本の企業をつなぐ強固な架け橋となることを目指す」と話した。
式典で小野総領事は、2025年4月に石破茂首相が訪越した際に、日本とベトナムは半導体を含む先端分野で次世代人材交流の促進でも一致したことを紹介した(2025年5月1日記事参照)。また、在日ベトナム人は2024年に60万人を超え、そのうち留学生数は4万人以上で、ASEAN諸国で最多となっているとし(2025年5月13日記事参照)、「このように両国間の交流が拡大する中で、VJITのような教育機関の存在は、今後ますます重要になっていくだろう」と述べた。
小野益央総領事のあいさつの様子(VJIT提供)
式典の様子(ジェトロ撮影)
(注)越日工業大学は、私立大学のホーチミン市工業大学(HUTECH)を母体として設立。日本型ものづくりの実践力をつけるため、金沢工業大学(KIT)の支援を受けてプロジェクトデザイン教育が導入されている(2022年11月9日記事参照)。
(ダン・ティ・ゴック・スオン)
(ベトナム)
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