在日ベトナム人が60万人超え、人的往来の協力強化へ

(ベトナム、日本)

調査部アジア大洋州課

2025年05月13日

4月28日に開催された日・ベトナム首脳会談(注)で、両国は、2024年に在日ベトナム人が60万人を突破したことを評価し、人的交流促進のための環境整備に引き続き取り組んでいくことで一致した。

共同プレスリリースによると、日本政府は、ベトナム国民に対する査証発給手続きの簡素化、電子査証の対象範囲の拡大および数次入国査証の発給にかかるベトナム政府の希望について積極的に留意するとした。また、在日ベトナム人の労働環境・条件、生活環境および社会保障の条件の改善に継続的に取り組むことを再確認の上、双方の自国民への在住国の法律規定について、広報・普及することを確認した。

さらに、両国首脳は、2025年内に育成就労制度に関する協力覚書の作成を目指すことで一致した。

ベトナムの増加数が最多、高度人材も牽引

出入国在留管理庁の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2024年末の在留外国人数は376万8,977人(前年末比10.5%増)で、過去最高を更新した。国籍・地域別にみると、中国の87万3,286人(前年末比5万1,1448人増)に次いで、ベトナムの63万4,361人(6万9,335人増)が続く。前年末からの増加数は、ベトナムが最多だった。

在留資格別にみると、中国は永住者(34万3,816人)、留学(14万1,496人)、技術・人文知識・国際業務(10万3,622人)が多いのに対し、ベトナムは技能実習(21万2,141人)、特定技能(13万3,478人)、技術・人文知識・国際業務(10万8,334人)が多い。

ベトナムの前年末からの増加数をみると、特定技能(2万2,830人増)と技術・人文知識・国際業務(1万4,943人増)が、技能実習(8,957人増)を上回った。

高度人材として捉えられる技術・人文知識・国際業務は、2023年にベトナムが中国を抜いて以来、最も多くなっている。ベトナムの技術・人文知識・国際業務は、2019年末の5万人から、5年後の2024年末には約2倍の10万人超えとなった(添付資料図参照)。

(注)4月28日にベトナムの首都ハノイで開催。石破茂首相とファム・ミン・チン首相が会談し、国防・安全保障や人的往来・交流など、幅広い分野について協議した(2025年5月1日記事参照)。

(庄浩充)

(ベトナム、日本)

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