雇用パスなどのビザ申請手続き合理化、単一システムで全て完結

(マレーシア)

クアラルンプール発

2025年07月10日

マレーシア入国管理局外国人サービス部門(ESD)は7月1日、XPats Gateway外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(エクスパッツ・ゲートウエー)を外国人雇用のための包括的なワンストッププラットフォームへと強化したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。エクスパッツ・ゲートウエーは、人的資源省傘下の公社(タレントコープ)が2023年6月に導入したビザに関する新システムで、同システムの成立により、許諾機関からのサポートレター取得プロセスを合理化した(2023年6月13日記事参照)。

ただし、これまではビザ取得申請に先立ち、労働局の事前承認〔雇用パス(EP)については2023年3月29日記事、プロフェッショナル・ビジット・パス(PVP)は2024年6月3日記事参照〕と、政府の求人ポータルサイト「マイフューチャージョブス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」での14日間の求人を、それぞれ別の窓口を通じて手続きする必要があった。7月1日以降は上記2つの手続きも含め、エクスパッツ・ゲートウエー内で完結させる。

今回の仕様変更を受け、スティーブン・シム人的資源相は7月7日、「EPの承認手続きのうち、これまで最大40日かかっていた部分が最短で10日間に短縮された」と説明した。シム氏は、システムの一元化によって雇用主のコストが最大70%削減されると推計している。発表から1週間で約100社の企業がEPの申請手続きを行ったことも明らかにした。

エクスパッツ・ゲートウエー導入以降、EPに関する手続き面の課題は改善しつつある。マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)が2025年1~2月、ジェトロと共同で実施した日系企業アンケート調査によると、日本人駐在員の就労に問題を感じる企業は全体の26.5%にとどまる。この中にあって対象企業の過半数が「EP申請手続きの煩雑さ」と「EP申請審査料の引き上げ」(2024年8月2日記事参照)を具体的課題として挙げた。前者については、今回の仕様変更で解消につながることが期待される。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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