プロフェッショナル・ビジット・パス、5月から取得にも労働局の事前承認必須に

(マレーシア)

クアラルンプール発

2024年06月03日

マレーシア入国管理局駐在員サービス部門(ESD)は5月13日以降、プロフェッショナル・ビジット・パス(PVP)の取得申請に先立ち、労働局の事前承認を求めている。申請は労働局の専用フォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて行う。労働局による認可書の有効期間は6カ月間で、有効期間内であればPVPの申請数に上限はない。

PVPは、マレーシア国内で短期就労を行う外国人に発給されるビザで、例えば、プロジェクト実施に際して技術者を招聘(しょうへい)する場合などに利用される(ジェトロ「マレーシア」外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用>在留許可)。2023年3月以降、雇用パス(EP)については、改正雇用法の施行に伴い、雇用主による労働局の事前承認取得が義務化されていた(2023年3月29日記事参照)が、この運用がPVPにも広がったかたちだ。

PVP申請に先立つ労働局への事前申請プロセスには、14営業日がかかると案内されている。従って、PVP認可に要する全手続きには、長ければ1カ月程度を見込んでおく必要がある。

ジェトロの中小企業海外展開現地支援プラットフォームコーディネーターの竹ノ山千津子氏は「PVPは、企業の雇用とは別枠の、いわば短期就労のエキスパート用ビザで、マレーシアの雇用に直接影響しない。それにもかかわらず、労働局の事前認可が必要なのは疑問だ。特に緊急で技術者を呼び寄せたい場合などには、このプロセスは弊害になる」と指摘する。なお、労働局は、所要期間を上記のとおり14営業日以内と説明しているものの、実際のところは可能な限り5~7営業日で処理するよう努めているとのことだ。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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