日本の2024年農林水産物・食品の輸入実績を公表
(日本、世界)
農林水産食品部市場開拓課
2025年05月27日
日本の農林水産省は4月22日、財務省貿易統計(確々報)に基づいた「農林水産物輸出入概況(2024年)」を公表した。本資料では、農林水産物・食品輸出および輸入について、輸出入実績の概況(品目別、国・地域別)を一覧することができる(輸出については、2025年4月23日記事、2025年5月14日記事参照)。
2024年日本への農林水産物・食品の輸入額は、前年比4.7%増の13兆4,049億円だった。輸出額は1兆4,092億円(少額貨物を除く)で、11兆9,957億円の輸入超過だった(前年比4.9%増)。
輸入額上位5カ国・地域は、米国(2兆2,329億円、前年比5.2%増)、中国(1兆8,023億円、9.4%増)、タイ(8,302億円、11.0%増)、オーストラリア(8,262億円、2.1%増)、カナダ(7,055億円、0.8%増)の順だった。
米国の関税措置による農水産品輸入への今後の影響は不透明であるものの、輸出先国1位の米国が輸入先国としても首位だった。米国からの輸入額上位3品目は、輸入額が多い順にトウモロコシ(4,593億円)、大豆(1,876億円)、牛肉(1,802億円)だった。林産物、水産物に関しては、中国からの輸入が最も多かった(それぞれ3,645億円、3,981億円)。
また、輸入額上位5品目は、1位がたばこ(7,136億円、前年比9.7%増)、2位は豚肉(6,457億円、17.2%増)、3位はトウモロコシ(5,963億円、13.5%減)、4位は牛肉(4,751億円、15.6%増)、5位は生鮮・乾燥果実(4,320億円、10.0%増)だった。
トウモロコシは輸入額・数量ともに、ブラジルやアルゼンチン、ウクライナなどからの輸入が減ったものの、米国からの輸入は増加した(4,593億円、前年比39.7%増)。トウモロコシ全体の輸入額は5,962億円(13.5%減)と減少したが、輸入数量については1,528万トン(2.7%増)に増加した。これは、ロシアのウクライナ侵攻時に高騰した価格が、ブラジルなどでの豊作から侵攻前の水準まで低下し、需要が増加したことに起因するとみられる(注1)。牛肉は、オーストラリアからの輸入の増加が目立った(2,132億円、25.7%増)。
過去の統計データは、農林水産省「農林水産物輸出入情報」で公開されている(注2)。
(注1)農林水産省「食料安全保障月報(第41号)」(2024年11月29日)参照。
(注2)ジェトロは、輸出支援プラットフォーム(カントリーレポートなどの調査レポートを含む)、日本からの輸出に関する制度(規制・手続き)などのウェブサイトで、輸出先国の規制、市場などの情報に関する情報を発信している。
(古城達也)
(日本、世界)
ビジネス短信 d3bb2eb943b7e555