トランプ米大統領、日鉄によるUSスチールの買収認める、メディアが報道

(米国、日本)

ニューヨーク発

2025年05月26日

米国のドナルド・トランプ大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収を認めたと、米主要メディアが5月23日に報じた。ジョー・バイデン前大統領は買収を禁止していたため、前政権からの方針転換となる。ただし、今回の買収がどのようなかたちで行われるのか、詳細は明らかになっていない。

日本製鉄とUSスチールは2023年12月、日本製鉄がUSスチールを買収することで合意したと発表した。しかし、対米投資に伴う国家安全保障上の懸念を審査する省庁横断委員会の対米外国投資委員会(CFIUS)が同買収計画を審査し、バイデン氏が任期終了間際の2025年1月に、CFIUSの審査結果を踏まえて取引を禁止する行政命令を発表した。だが、その後就任したトランプ氏が4月に、あらためてCFIUSに審査するよう指示する大統領覚書を発表した。バイデン氏の行政命令では、大統領が追加的な命令を発表する権限を留保すると規定されていた(2025年4月8日記事参照)。

トランプ氏は同日、自身のSNSで、「これは、USスチールと日本製鉄との計画的な提携(パートナーシップ)であり、少なくとも7万人の雇用創出と、米国経済に140億ドルの貢献をもたらす。その投資の大部分は、今後14カ月で実施される」と投稿した。他方で、「USスチールは米国に残り、本社はピッツバーグ市に残る」とも述べており、今回の買収がどのようなかたちで承認されたのか、具体的な内容は明らかになっていない。トランプ氏は日本の石破茂首相との初の首脳会談後に、買収ではなく投資であれば認めると発言していた(2025年2月10日記事参照)。トランプ氏は5月30日に、USスチールの本社があるペンシルベニア州ピッツバーグ市で集会を開く予定となっている。

(赤平大寿)

(米国、日本)

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