米ウーバーとフォルクスワーゲン、自動運転マイクロバス配車サービス展開で提携
(米国)
サンフランシスコ発
2025年04月30日
米国の配車サービス大手ウーバーは4月24日、フォルクスワーゲン(VW)グループ・オブ・アメリカとともに、自動運転マイクロバスをウーバーのプラットフォーム上で配車展開する計画を発表した。今後10年間で数千台規模の自動運転電動マイクロバス「ID.Buzz」がウーバーの配車サービスに追加される。既にジョージア州アトランタやテキサス州オースティンで自動運転タクシーサービスのウェイモ(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)がウーバーのアプリで配車できるのと同様(2024年9月26日記事参照)、ID.Buzzもアプリから直接利用できるようになる。
ID.Buzzは、ドイツの「タイプ2マイクロバス」(通称:VWバス)を記念したレトロな外観の7人乗り電動ミニバンだ。インテル傘下のソフトウエア企業モービルアイが開発した自動運転プラットフォーム「モービルアイ・ドライブ」のほか、カメラ、レーダー、ライダー(LiDAR)センサーを搭載する。VW傘下で電動自動車(EV)運行プラットフォームを提供するモイアがサービスオペレーターを担い、ウーバーとの協業を進める。車両は急速充電にも対応する設計となっている。
VWは過去にオーロラやアルゴAIといった自動運転スタートアップと提携し、技術開発を進めたが、いずれも提携は解消した。その後、モービルアイとの関係を深め、自社開発体制を強化してきた。VWオートノマス・モビリティーのクリスチャン・ゼンガー最高経営責任者(CEO)は「VWは単なる自動車メーカーではない。大量生産の専門知識と最先端技術、都市型モビリティーのニーズへの深い理解が当社の強みで、ウーバーとの協業はこのビジョンを加速させる」と述べた。
ID.Buzzのテスト運用は、カリフォルニア州運輸局(DMV)からテスト許可証を取得次第、2025年後半に同州ロサンゼルスで開始を予定しており、2026年の商用展開を目指す。米メディアのテッククランチ(4月24日)によると、初期段階では安全確保のため人間のオペレーターが同乗し、必要な規制承認を得た後、2027年ごろをめどに完全な無人移行する計画だという。
ウーバーはこれまでにも自動運転配車サービス分野で積極的な提携を進めており、ウェイモ(2025年3月17日記事参照)、モーショナル(2022年12月13日記事参照)、ウィーライド(2024年8月21日記事参照)、アブライド(2025年2月13日記事参照)、など複数の企業と配車サービスまたは配送ロボット事業で協力関係を築いている。
(松井美樹)
(米国)
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