米ウーバー、モーショナルと自動運転配車サービスをラスベガスで試験的に開始

(米国)

サンフランシスコ発

2022年12月13日

米国で自動運転技術開発を行うモーショナル(本社:マサチューセッツ州ボストン)とライドシェア大手のウーバー・テクノロジーズ(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は12月7日、ネバダ州ラスベガスで一般向けに自動運転車両(AV)による配車サービスを開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。両社は既にオペレーターが同乗するAV配車サービスを試験的に開始しており、2023年中に無人での同サービスの商業化を目指すとしている。使用する車両はモーショナルの自動化レベル4(注)を搭載した現代自動車の「アイオニック5」だ。

両社は10月に、今後10年にわたり複数の都市で無人AVによる配車サービスとデリバリーサービスを展開する契約を締結しており(2022年10月13日記事参照)、ラスベガスでの試験運用はその皮切りとなる。ラスベガスの次は、カリフォルニア州ロサンゼルスにサービスを拡大する予定としている。また、両社は5月からロサンゼルス近郊でウーバーイーツの顧客を対象に、モーショナルのAVによるデリバリーサービスも試験展開している(2022年5月24日記事参照)。モーショナルはウーバーと競合するリフトとも協業しており、同じくラスベガスで2023年から完全AVによる配車サービスを開始する予定だ(2021年11月15日記事参照)。

近年、AV配車サービスで米国内で目立った動きを見せているのは、モーショナルのほか、ゼネラルモーターズ(GM)のクルーズやグーグルなどを傘下に持つアルファベットのウェイモだ。クルーズはカリフォルニア州サンフランシスコ市内で、無人AVによる配車サービスを6月から有料で開始しており(2022年6月7日記事参照)、同州運輸局(DMV)にハンドルのないAV「オリジン」の試験走行許可を申請中と報じられている(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版11月30日)。ウェイモはクルーズに続き、同州で2例目となる無人AVによる配車サービスの実証事業の実施許可を11月に取得している(2022年12月1日記事参照)。

(注)レベル4は、セーフティードライバーの同乗を必要としないが、自動運転可能な環境や地域に制限がある。

(田中三保子)

(米国)

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