トランプ米政権の関税政策への支持・不支持は拮抗も、大多数は自由貿易支持、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年04月16日
米国のドナルド・トランプ大統領の関税政策は二転三転し(2025年4月11日、4月14日記事参照)、経済にも影響を及ぼしつつある(2025年4月11日記事参照)。最近の世論調査では、トランプ政権の関税政策に対する支持・不支持は拮抗(きっこう)しつつも、国民の大多数は自由貿易を支持するという結果だった。
ハーバード大学米国政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスは4月11日、トランプ政権の政策などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、トランプ政権の関税を「支持しない」割合は47%で、「支持する」(45%)をわずかに上回った。一方、84%が自由貿易を支持し、78%は自由貿易が米国経済に利益をもたらしたとしている。
米国が貿易赤字を抱えていること(注2)については、「中立的」とする割合が44%と最も多かったが、「悪いこと」とするは35%で、「良いこと」(21%)を上回った。貿易での他国との関係では、「米国は他国に不当に扱われてきた」が58%と、「一般的に他国との貿易は公正な条件で行われてきた」(42%)を上回った。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが4月に実施した世論調査(注3)では、輸入品の関税が価格に及ぼす影響として、「価格を押し上げる」と77%が回答した。
他国との比較で、一般的に、ほとんどの国は米国に対して、米国が課している関税よりも高い関税を課していると41%(非常に高い23%、いくらか高い18%)、低い関税を課していると12%(非常に低い3%、いくらか低い9%)が回答した。「ほぼ同じ」は18%だった。
また、関税への見方として、「経済と消費者にとって有害で、長期的な利益は実際には何もない」が48%、「短期的には経済的痛みをもたらすかもしれないが、長期的には経済成長につながる」が37%だった。15%は「わからない」と回答した。
(注1)実施時期は4月9~10日、対象者は全米の登録有権者2,286人。
(注2)設問の全文は、「米国が他国に対して貿易赤字を抱えていること、つまり、その国への輸出よりも輸入が多いことは、良いことか、悪いことか、それとも中立的か」。
(注3)実施時期は4月5~8日、対象者は全米の成人1,741人。
(松岡智恵子)
(米国)
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