トランプ米大統領は関税を交渉の手段として利用していると59%が回答、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年04月14日
米国のドナルド・トランプ大統領は相互関税の90日間適用停止(2025年4月10日記事参照)や相互関税で除外品を追加する(2025年4月14日記事参照)など、場当たり的な対応が目立っている。最近の世論調査では、トランプ氏が関税を交渉の手段として利用していると59%が回答した。
CBSニュースは4月13日、トランプ政権の関税政策などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、トランプ氏の関税についての見方は、「関税を交渉の手段として利用し、後日撤回する」が59%と過半で、「関税を恒久的に課す」は41%だった。
トランプ氏が関税や貿易に関する明確な計画を持っているかどうかについては、「持っている」「持っていない」が各50%と意見が分かれた。支持政党別で見解が大きく分かれる。共和党支持者の91%は「持っている」と回答したが、民主党支持者、無党派層は「持っていない」がそれぞれ84%、57%と多数だった。
2026年に向けての経済状況の見通しは、「景気後退」が33%と3月調査時(28%)より5ポイント増加した。「成長する」は29%と3月調査時(29%)と変化なかった。
調査会社ハリスXが4月に実施した世論調査(注2)によれば、トランプ氏の関税が短期的な景気後退を引き起こすと71%が回答した。53%は長期的にみて経済が悪化する、58%は株式市場が引き続き低迷し、さらなる打撃を受けるとしている。
トランプ氏の関税の影響から株式市場が回復に要する期間として、「3カ月~1年」が34%と最も多く、「2年以上」(23%)、「1~2年」(17%)が続いた。
投資家心理を反映するCBOEボラティリティー指数(VIX、注3)は4月2日以降、急激に高まり、8日に52.33を記録した。相互関税の90日間適用停止が発表された後、徐々に低下し、11日に37.56まで下がった。
(注1)実施時期は4月8~11日。対象者は全米の成人2,410人。
(注2)実施時期は4月4~7日。対象者は全米の登録有権者1,883人。
(注3)一般的に、VIXの数値が高いほど、投資家の先行き不透明感も強いとされる。
(松岡智恵子)
(米国)
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