欧州委、インフィニオンのドレスデン半導体工場建設への政府補助金を承認

(ドイツ)

ベルリン発

2025年03月10日

欧州委員会は2月20日、ドイツの半導体大手のインフィニオン・テクノロジーズがドイツ東部ザクセン州ドレスデンに建設中の工場に対する補助金交付を承認した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。欧州最大級の半導体集積地として知られるドレスデン(2024年12月13日付地域・分析レポート参照)での新工場建設は2022年11月に発表され(2022年11月18日記事参照)、2023年5月に着工されていた(2023年5月8日記事参照)。2026年の操業開始が見込まれている。

この決定を受け、同社のドレスデンにおける投資総額約34億ユーロ(経済・気候保護省発表)のうち、ドイツ政府から補助金9億2,000万ユーロが拠出される。今回の補助金交付は、欧州半導体法(2023年4月20日記事参照)に基づいて欧州委が審査・承認した。

ロベルト・ハーベック連邦経済・気候保護相は、「インフィニオンのドレスデンにおけるプロジェクトは、ドイツと欧州における半導体供給能力を高め、ハイテク分野における重大な依存度を低下させる」ものであり、「同時に、ドイツがマイクロエレクトロニクスのような高度な革新技術への投資先として魅力的で競争力の高い場所であることを示す」と述べ、今回の欧州委による補助金交付承認を歓迎した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ドイツ政府は国内の半導体事業の促進に前向きで、2024年11月には欧州半導体法の枠組み内で新たな補助金スキームを公表している。しかし、ドイツ国内の半導体プロジェクトには遅れも見られる。2022年3月にドイツ東部ザクセン・アンハルト州マクデブルクに半導体工場建設を予定していたインテルは(2022年3月24日記事参照)、2024年に2年間のプロジェクト延期を発表している(2024年10月29日付地域・分析レポート参照)。

(打越花子)

(ドイツ)

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