インフィニオン、ザクセン州ドレスデンに半導体工場を新設へ

(ドイツ、EU)

ベルリン発

2022年11月18日

ドイツの半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1114日、ドイツ東部ザクセン州ドレスデンに新たな半導体工場を設立する計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表に際し、インフィニオン・テクノロジーズのヨッヘン・ハネベック最高経営責任者(CEO)は、「脱炭素化とデジタル化に伴う半導体の構造的な需要増に対応するため」に大幅な生産能力の拡大を図ると説明。また、投資決定には十分な公的資金が必要であり、「欧州半導体法(2022210日記事参照)を通じた資金調達を期待している」と述べ、補助金の交付が投資の前提となることを示した。

新工場はドレスデンの既存工場に隣接して建設され、300ミリメートルウェハー対応のアナログ/ミックスドシグナル(注)およびパワー半導体を製造する。投資総額は50億ユーロで、これは同社の単独投資額としては過去最大となる。また最大1,000人の新規雇用が創出される見込みで、2026年秋の生産開始を予定している。フル稼働時には、投資額と同規模の年間50億ユーロの売上高が見込まれる。

ザクセン州ドレスデンに相次ぐ最新の大型工場設立

ザクセン州の州都ドレスデンは、マイクロエレクトロニクス産業の集積地として知られる。20216月のボッシュの半導体工場の開所(2021615日記事参照)や、20229月の光学製品大手イエナオプティックのマイクロオプティクス工場の着工など、最新設備を備えた大型工場の建設が相次いでいる。

ドレスデン市のディルク・ヒルベルト市長は同日、「マイクロエレクトロニクス産業の集積地であるドレスデンは、ますます勢いを増している。ドレスデン北部から、需要の高い半導体が世界中に供給される。企業、研究機関、スタートアップ、そして行政や政治の相互連携が非常に良好に機能しており、ドレスデンは欧州で有数のハイテク拠点となっている」として、インフィニオンの新工場を歓迎した。

また、ザクセン州のマルティン・デュリグ州経済相は、同社のドレスデン新工場は「アジアおよび米国の半導体チップ市場からの欧州の独立性を大幅に高める」と述べた。ザクセン州が「連邦政府と連携して、欧州半導体法を通じた資金調達を後押しする」との考えを示した。

(注)ミックスドシグナルは、アナログ回路とデジタル回路の両方を備えた集積回路。

(中村容子)

(ドイツ、EU)

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