英国ユニリーバ、ロシア事業の売却を完了

英国の消費財メーカーのユニリーバは10月10日、ロシア事業の売却が完了したと発表した。売却先はロシアの化粧品・家庭用洗剤メーカーのアルネストで、対象はロシア国内の4工場を含むユニリーバのロシアおよびベラルーシでのビジネス。アルネストはユニリーバ製品のOEM生産を含め、長年にわたり協力関係にあった。

売却額は公表されていないが、関係者によると350億～400億ルーブル（約539億～616億円、1ルーブル＝約1.54円）に上るとみられる（RBK 9月4日）。なお、英国を含む非友好国（注）の企業がロシアでの事業を売却しようとする場合、売却価格は市場価格の半額以下にすることが義務付けられている（2023年7月21日記事参照）。

ロシアによるウクライナ侵攻後、ユニリーバはロシアとの輸出入や追加投資、メディア・広告費の支出を停止する一方、ロシアで製造された食品、衛生製品の提供は継続していた（2022年3月11日記事参照）。

（注）欧米諸国や日本など、ロシア政府、ロシアの個人および法人に対して非友好的行為を行う国・地域。連邦政府指示第430-r号（2022年3月5日付）で規定され、その後数度にわたり改定（追加）されている。

（欧州課）