トヨタ、米アラバマ州のエンジン生産工場へ2億8,200万ドル投じて新生産ライン追加

(米国、日本)

アトランタ発

2024年06月07日

トヨタ自動車は6月5日、2億8,200万ドルを投じ、米国アラバマ州のハンツビル工場の生産能力を増強することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ドライブトレイン(駆動系部品)の生産ラインを新たに追加し、350人を新たに雇用する予定だ。今回の投資により、同工場への投資総額は17億ドル以上となる。

2003年に操業開始した同工場は2,000人以上の従業員を抱え、北米でトヨタ最大のエンジン生産工場だ。同工場は4気筒、V6、V8エンジンを生産する世界唯一の製造拠点で、4つある生産ラインの全てで内燃エンジンとハイブリッドエンジンの両方を生産している。同工場では、1日3,000基のエンジンを製造しており、これは米国で生産するトヨタのエンジンの3分の1の数量に相当する。同工場で生産したエンジンは北米7カ所の同社工場に供給し、カローラやハイランダー、RAV4などの車種に搭載するほか、同州ハンツビルのマツダ・トヨタ・マニュファクチャリングの工場にも供給し、カローラ・クロスに搭載している。

今回の追加投資に際し、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・アラバマのジェイソン・パケット社長は「新しいラインは工場の柔軟性をさらに高め、私たちのチームと地域社会に対するトヨタのコミットメントを再確認するもの」と語った。また、アラバマ州のケイ・アイビー知事(共和党)は「トヨタは20年以上にわたり、ハンツビル工場の生産能力と優れた労働力の向上のために複数の拡張工事を実施し、アラバマ州の成長する自動車産業の重要なパートナーであり続けている」と歓迎した。

トヨタは米国での生産能力増強の投資を相次いで発表している。2022年4月にはハンツビル工場を含む米国内4カ所の生産拠点で、ハイブリッド車用を含むエンジンの生産能力拡張のため、合計で3億8,300万ドルの投資を行うと発表した(2022年4月21日記事参照)。一方で、電気自動車(EV)関連の投資も積極的に行っており、2021年にはノースカロライナ州でのEV用バッテリー工場建設を発表し、追加投資も含めて約139億ドルを投じている(2023年11月7日記事参照)。また、ケンタッキー州の工場でのバッテリー式EV(BEV)の生産を2025年から開始すると発表しており、2024年2月には同工場に13億ドルを追加投資し、BEVのスポーツ用多目的車(SUV)の組み立てやバッテリーパックの組み立てを行うと発表した(2023年6月2日記事2024年2月8日記事参照)。2024年4月には、インディアナ州の工場でのEV用バッテリーパック生産に14億ドルを投じると発表した(2024年4月26日記事参照)。

(横山華子)

(米国、日本)

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