米大統領選挙共和党予備選、トランプ前大統領が2戦目のニューハンプシャー州でも勝利確実

(米国)

ニューヨーク発

2024年01月24日

米国ニューハンプシャー(NH)州で1月23日、2024年大統領選挙に向けた共和党予備選挙が行われた。初戦のアイオワ州での共和党党員集会(予備選挙)(2024年1月16日記事参照)に続き、ドナルド・トランプ前大統領が、勝利を確実にした。投票が締め切られた数分後、複数の米主要メディアが報じた。

CNNによると、開票率44%の時点で、トランプ氏は54.2%、ニッキー・ヘイリー元国連大使は44.0%の得票率を得ている。アイオワ州とNH州で連勝したトランプ氏は、現代政治史上、共和党の非現職候補で最初の2つの指名争いに勝利した唯一の人物となった(政治専門誌ポリティコ1月23日)。

初戦のアイオワ州での予備選挙の結果を受け、実業家のビベク・ラマスワミ氏、アーカンソー州のエイサ・ハッチンソン前知事が相次いで撤退を表明し、NH州の予備選の直前には、フロリダ州のロン・デサンティス知事も撤退を表明した(2024年1月23日記事参照)。当初、共和党からは複数の主要候補が立候補していたが、NH州での予備選では、事実上、トランプ氏とヘイリー氏の直接対決に絞られた。同州は、共和党穏健派が多いとされており、共和党の中でも中道寄りとされるヘイリー氏にどこまで支持が集まるか注目されていた一方で、保守派のデサンティス氏の撤退はトランプ氏に有利になるとみられていた。結果は、トランプ氏が大統領候補の指名獲得に向けたリードをさらに広げ、指名獲得にまた一歩近づいた。

ヘイリー氏にとっては、224日に予定されている、同氏が知事を務めていたサウスカロライナ州での予備選挙が正念場となる(2024年1月15日付地域・分析レポート:表1参照)。ヘイリー氏は、今回のトランプ氏勝利確実との一報が出たすぐ後に行った支持者に対する演説の中で、撤退しない旨を宣言した。ヘイリー氏はNH州における予備選挙の結果によらず立候補を継続する意向を示していた。

なおNH州では同日、非公式ながらも民主党大統領候補者の予備選挙が行われた。民主党全国委員会(DNC)の規則・細則委員会は2022年12月、ジョー・バイデン大統領の提案を受け、予備選挙の実施順をサウスカロライナ州(2月3日)から始め、NH州は2月6日に実施すると決めた(2022年12月5日記事参照)。しかし、同州の州法は、最初の予備選挙を同州で実施することを義務づけていることから、DNCの決定に従わず予備選挙を強行した(注)。バイデン大統領はDNCの規定に従うため、同州での予備選に参加しないこととした。投票者は自身でバイデン氏の名前を書いて投票することが可能なことから、同氏が71.9%の得票率(米国東部時間午前8時30分)を得て、他の候補を圧倒する支持を獲得した。ただし、NH州の民主党予備選はDNC公認ではないため、代議員の配分は行われない。

ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。

(注)アイオワ州では、1月15日に党員集会として実施された。

(赤平大寿)

(米国)

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