米大統領選の共和党予備選、デサンティス氏が撤退表明

(米国)

アトランタ発

2024年01月23日

11月の米国大統領選挙の共和党予備選挙に立候補していたロン・デサンティス・フロリダ州知事は1月21日、自身のX(旧ツイッター)でビデオメッセージを公開し、共和党候補者の指名争いから撤退すると発表した。これにより、共和党候補者はドナルド・トランプ前大統領とニッキー・ヘイリー元国連大使に絞られた。

1月15日にはアイオワ州の党員集会(予備選挙)が開催され、トランプ氏51%、デサンティス氏21%、ヘイリー氏19%の得票率だった(2024年1月16日記事参照)。同予備選挙直後にはデサンティス氏が選挙戦を撤退する動きはなかったが(「APニュース」1月16日)、23日にニューハンプシャー州で実施される予備選挙を前に、撤退を表明したかたちとなった(2024年1月15日付地域・分析レポート:表1参照)。

デサンティス氏はビデオメッセージで「共和党候補者指名争いに勝利する明確な道筋がないのであれば、支援者にボランティア活動や寄付を求めることはできない」「共和党の有権者の多くがドナルド・トランプ氏にもう一度チャンスを与えたいと思っているのは明らか」と述べた。また「ニッキー・ヘイリー氏に代表される、協調主義を温め直したような昔の共和党守旧派には戻れないため、私はトランプ氏を支持している」とも述べた。

デサンティス氏の選挙戦撤退を受け、トランプ氏は「デサンティス氏はとても礼儀正しく、私を支持してくれた。私も彼と一緒に仕事ができることを楽しみにしている」と述べ、デサンティス氏を「本当に素晴らしい人」と評した(「abcニュース」1月21日)。一方、ヘイリー氏は「デサンティス氏は素晴らしい選挙戦を行った」「残ったのは1人の男性と1人の女性のみ。トランプ氏以外の男性候補者は撤退していった」と述べた(「NPR」1月21日)。

報道によると、デサンティス氏の選挙戦撤退は23日のニューハンプシャー州の予備選挙でヘイリー氏に不利に働く可能性が高い(政治専門誌「ポリティコ」1月21日)。実際、ニューハンプシャー大学とCNNが21日に発表した世論調査によると、ニューハンプシャー州の共和党登録者で、デサンティス氏支持者のうち、次の投票先候補として、62%はトランプ氏、30%はヘイリー氏を選ぶとしている。ただ、ヘイリー氏はたとえニューハンプシャー州の予備選挙の結果が振るわなかったとしても、2月24日のサウスカロライナ州の予備選挙に照準を合わせ、選挙戦に残るという(「アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション」紙電子版1月21日)。

ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。

(檀野浩規)

(米国)

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