「CES2024」、出展者は4,000以上、アジアのスタートアップに注目

(米国)

サンフランシスコ発

2024年01月15日

先端テクノロジーの見本市「CES2024」が1月9~12日、米国ラスベガスで開催された。CESは、人工知能(AI)、スマートホーム、デジタルヘルス、ロボティクス、自動車技術・先進モビリティー、フードテック、ゲームなどさまざまな分野から、世界最先端のテクノロジーとイノベーターが集い、新商品を発表する展示会だ。

主催者の発表によると、世界中から4,000以上の企業や団体が出展。ジェトロが数えたところ、日本からは70以上の出展者が参加した。CES2023の参加企業数は3,200社以上で(2023年1月10日記事参照)、新型コロナ禍前に開催されたCES 2020には4,400社以上が出展していたことから(2020年1月29日記事参照)、出展規模は新型コロナ禍以前に戻ったといえる。

会場内では、世界各国・地域のパビリオンも設置され、それぞれピッチイベントやネットワーキングを行うなどにぎわいを見せた。ジェトロは、スタートアップ企業が集まる「エウレカパーク」内で、スタートアップ30社の出展を支援(2024年1月9日記事2024年1月12日記事参照)した。

写真 オランダ、フランスのスタートアップパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

オランダ、フランスのスタートアップパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

日本企業の出展動向

日本からは資生堂がCESに初出展した。オープンイノベーション担当者の熱意から初めての参加に至った同社にヒアリングしたところ、「新型コロナ禍を経て消費行動が変容し、デジタルの体験をお客様が障壁なく活用する状況になった。資生堂は、サイエンスの歴史が150年以上あり、デジタル技術も以前から活用してきたが、強みであるライフサイエンスと細胞の研究において、デジタル技術活用の可能性が高いと感じ、出展を決めた」という。拡張現実(AR)を活用し美容の方法を教授するシステムと、鼻の形から将来の肌情報を予測するシステムを展示し、来場者の反応を確かめていた。「お客様の反応を確認し、より消費者に寄り添った商品を開発する機会にしたい」と同社の担当者は語った。

写真 資生堂のブースで同社の展示を体験する来場者(ジェトロ撮影)

資生堂のブースで同社の展示を体験する来場者(ジェトロ撮影)

同じく初出展の住友ゴムは、タイヤの回転情報などの車載データをクラウドで解析して路面状況などを把握する技術「センシングコア」を展示。同社によると、日本国内では既にサービスを提供しており、2024年内にはインドでもサービス提供予定とのこと。自動車OEMやディストリビューターに対して、「主力商品であるタイヤやテニス用品とは違ったラインナップの存在をPRするために参加した」と述べた。

三井不動産は「CES2022」に参加経験があり、2度目の出展。同社へのインタビューでは、「2024年4月にローンチする、暮らしアプリのPRおよび日本発の賢い暮らしを世界中にアピールすることを目的に参加した。海外展開も考えたい」と意気込みが聞かれた。

国内冷凍機器トップシェア企業のデイブレイクもCESに初出展。同社に話を聞いたところ、「顧客に寄り添ったトータルでの冷凍ソリューションを提供している。商品の納品のみならず、使い方の提案もすること、またお客様の声を吸い上げて製作した冷凍庫を提案した。冷凍庫内の風が柔らかく優しく、風味を壊しにくいこと、また独自のセンシング技術を自社で考えて設計している。この冷凍技術により、これまで冷凍が難しかった商品の販路拡大が可能になり、食品ロスなどサステナブル課題にも貢献できる。すでに輸出実績があり、北米への拠点設立を検討中」とのことだ。

写真 デイブレイクが展示する優しい風で冷凍する冷凍庫(ジェトロ撮影)

デイブレイクが展示する優しい風で冷凍する冷凍庫(ジェトロ撮影)

アジアの出展動向

会場では、韓国政府や自治体、大学、企業に至るまで数多くの韓国パビリオンやブースが出展し、存在感を発揮した。世界初の無線かつ画面が透明な有機ELテレビ「LGシグネチャーオーレッドT」を発表したLG電子は、来場者の注目を浴びていた展示の1つだ。

写真 韓国パビリオンのうちの1つ、およびLG電子の展示(ジェトロ撮影)

韓国パビリオンのうちの1つ、およびLG電子の展示(ジェトロ撮影)

スタートアップでは、シンガポールのジャイロギアが多くの来場者を集めていた。同社は2018年創業のスタートアップで、人の手の震えを制御するジャイログローブを開発。初出展ながら、CESイノベーションアワードを3部門で受賞した。同社ブースでインタビューしたところ、「イノベーションアワードを受賞し、多くの来場者が来た。創業者がロンドン留学中にパーキンソン病患者が食事に苦労している姿を見て、商品開発をスタートした。現在は英国とシンガポールでビジネスを展開しており、将来的な日本への進出も検討している」とのことだった。

写真 ジャイロギアのブースの様子(ジェトロ撮影)

ジャイロギアのブースの様子(ジェトロ撮影)

(芦崎暢)

(米国)

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