タイでモーター・エキスポ2023開催、中国系と日系が拮抗

(タイ)

バンコク発

2023年12月13日

タイのバンコク北西郊外にある国際展示場インパクト(IMPACT)で11月30日から12月11日にかけて「モーター・エキスポ2023」が開催された。同エキスポでは、来場者がその場で自動車を(予約)購入することが可能で、今回は自動車が5万3,248台、自動二輪が7,665台販売された。過去との比較では、2020年に購入された自動車台数は3万3,753台(2020年12月15日記事参照)、2021年は3万1,583台(2022年2月25日付地域・分析レポート参照)、2022年は3万6,679台(2022年12月19日記事参照)だったが、今回は成約件数が例年に比べて多かった。会期中の来場者数は約150万人に上った。

今回、自動車の販売が多かった上位15ブランドは、トヨタ(7,245台)、ホンダ(6,149台)、BYD(5,455台)、AION(4,568台、広州汽車グループ)、MG(3,568台、上海汽車グループ)、CHANGAN(3,549台、長安汽車)、GWM(3,524台、長城汽車)、いすゞ(2,460台)、日産(2,459台)、マツダ(1,961台)、NETA(1,766台、合衆汽車グループ)、三菱自動車(1,673台)、フォード(1,415台)、スズキ(1,402台)、メルセデス・ベンツ(1,333台)という順となった。上位は日系と中国系が占めた。企業グループの資本別でみると、日系メーカーの販売台数の合計は2万3,695台のところ、中国系は2万3,268台と拮抗(きっこう)している。販売の大部分を日系メーカーが占めていた2020年、2021年のエキスポと比べ、様相が大きく異なっている。

写真 首位を堅持したトヨタのブース(ジェトロ撮影)

首位を堅持したトヨタのブース(ジェトロ撮影)

2022年に比べて、AIONとCHANGANは大きく躍進した。両社とも、2023年半ばにタイ工場の新設に伴う大規模な投資を発表している。現地生産は2024年半ばから2025年にかけて開始される見通しだが、タイでのバッテリー駆動電気自動車(BEV)の普及に向けた優遇措置を利用し、輸入BEVモデルを先行して販売。これらのモデルが両社ブースで盛況となっていた。

写真 AIONの「Yプラス」(ジェトロ撮影)

AIONの「Yプラス」(ジェトロ撮影)

写真 長安汽車の「DEEPAL」(ジェトロ撮影)

長安汽車の「DEEPAL」(ジェトロ撮影)

中国メーカー同士での競合も激しくなっている。これまでタイ市場で販売を伸ばしていた合衆新能源汽車の新興EVブランド「NETA」は振るわなかった。他方、BYDは中国メーカーとして首位の位置を堅持しており、前回のエキスポで好評を得た「ATTO 3」のほか、「Dolphin」「SEAL」などを展示し、来場者の目を引いていた。

写真 BYD「SEAL」(ジェトロ撮影)

BYD「SEAL」(ジェトロ撮影)

(北見創)

(タイ)

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