モーター・エキスポ2020、日系車が続々と成約

(タイ)

バンコク発

2020年12月15日

バンコク北西郊外にある国際展示場インパクト(IMPACT)で12月2~13日に「モーター・エキスポ2020」が開催された。新型コロナウイルスの影響で国外からの来場者が減少し、イベントの不調が危惧されたが、会場には国内在住者が多数来訪し、各社ブースは盛況だった。

写真 感染予防のため展示場内ではシールドやマスクを着用(12月13日、ジェトロ撮影)

感染予防のため展示場内ではシールドやマスクを着用(12月13日、ジェトロ撮影)

エキスポでは、来場者がその場で自動車を購入することが可能で、今回は自動車が3万3,753台、自動二輪が4,946台販売された。2019年の前回と比べると、自動車は10.0%減、二輪は31.8%減と、販売実績は減少した。しかし、7月に実施された同種のイベントである第41回バンコク国際モーターショーでは、自動車の販売台数は前年比51.3%減の1万8,381台だったことから、半年前よりも市場は回復しているといえそうだ。

販売台数が多かった自動車メーカー(二輪除く)は、トヨタ(5,445台)、ホンダ(4,508台)、マツダ(4,018台)、いすゞ(3,076台)、日産(2,666台)、スズキ(2,652台)などの日系ブランドだった。各社ブースにはタイ人家族などが多数訪れ、購入契約を進める姿が目立った。

写真 日系各社のブースは盛況だった(12月13日、ジェトロ撮影)

日系各社のブースは盛況だった(12月13日、ジェトロ撮影)

他方、中国・上海汽車傘下のMGは、販売実績は7位(2,330台)だったが、電気自動車(EV)を全面的に押し出してアピールしていた。タイ人消費者が同社のセダン型EVやスポーツ用多目的車(SUV)型EVに関心を寄せる様子がみられた。

写真 MGのEVに関心が寄せられている(12月13日、ジェトロ撮影)

MGのEVに関心が寄せられている(12月13日、ジェトロ撮影)

底堅いタイの自動車市場

タイ国内の自動車販売台数は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一時的に落ち込んでいたが、10月は前年同月比2.2%減の14万9,360台と前年並みに回復している(2020年11月20日記事参照)。

自動車を扱う日系物流業者は「11月は自動車のタイ国内販売が増え、業務が多忙だった。12月はさらに販売が増えるだろう」と話す。特に、地方部でピックアップなどが売れているという。今回の展示会でも、国内自動車市場の底堅さを目の当たりにすることができた。

(北見創)

(タイ)

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