タイでモーター・エキスポ2022開催、自動車需要は回復傾向

(タイ)

バンコク発

2022年12月19日

タイのバンコク郊外にある国際展示場インパクト(IMPACT)で12112日に「モーター・エキスポ2022」が開催された。前回(202112月)に比べて新型コロナウイルスの影響がほぼ見られなくなったこともあり、各出展社のブースは盛況だった。自動車メーカーの出展は10カ国35社となり、前年の9カ国32社より拡大した。

写真 各ブースともに盛況(ジェトロ撮影)

各ブースともに盛況(ジェトロ撮影)

写真 前回と異なり、シールドやマスクの着用は見られなかった(ジェトロ撮影)

前回と異なり、シールドやマスクの着用は見られなかった(ジェトロ撮影)

エキスポでは、来場者がその場で車を購入することが可能で、今回は四輪(自動車)が3万6,679台、二輪が6,089台販売外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。前回と比べると、自動車は16.1%増、二輪車は87.1%増と、販売実績は増加した。現地報道によると、2022323日~43日に実施された同種のイベントである第43回バンコク国際モーターショーでは、自動車の販売台数は前年比14%増の31,896台だったことから、引き続き市場は回復しているといえそうだ。

エキスポでの販売台数が多かった自動車メーカー(二輪車を除く)は、トヨタ(1位、6,064台)、ホンダ(2位、3,252台)、いすゞ(4位、2,648台)、日産(5位、2,478)、スズキ(6位、2,464台)などの日系ブランドが中心だった。各社ブースでは、熱心に車両を確認する人や購入契約を進める姿が目立った。

写真 EVに関心を示す来場者(ジェトロ撮影)

EVに関心を示す来場者(ジェトロ撮影)

他方、中国系メーカーでは、初参加のBYDがエキスポ内の販売台数で3位(2,714台)に食い込んだ。同社はスポーツ用多目的車(SUV)のATTO3などの電気自動車(EV)を全面的に押し出し、アピールしていた。その他、上海汽車傘下のMG7位(2,443台)、長城汽車(GWM)は9位(1,995台)となった。

写真 エキスポ内の販売台数3位のBYD(ジェトロ撮影)

エキスポ内の販売台数3位のBYD(ジェトロ撮影)

タイ国内の202210月の自動車生産台数は前年同月比10.8%増の17717台で、5カ月連続のプラスとなっている(2022年12月1日記事参照)。国内販売向けが12.3%増となるなど、自動車に対する需要は回復傾向にあり、今回の展示会でも回復を続ける国内自動車市場の様子を垣間見ることができた。

(藤田豊)

(タイ)

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