リチウム電池のノースボルト、カナダにギガファクトリーを建設へ、連邦・州政府が支援

(カナダ、スウェーデン)

トロント発

2023年10月05日

スウェーデンのリチウム電池メーカー、ノースボルトは9月28日、カナダのケベック州モントリオール郊外に、リチウムイオンバッテリーの大規模生産工場「ギガファクトリー」を建設する意向を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同社によると、ノースボルト・シックスと名付けられた同工場は、年間60ギガワット時(GWh)のバッテリー生産容量を有する。正極活物質生産とバッテリー・リサイクルのための施設も併設され、敷地内での完全循環型生産を可能にするとしている。

施設の建設は第1段階を30GWh生産容量として2023年末までに始め、2026年に操業開始予定となっている。第1段階だけで総額70億カナダドル(約7,700億円、Cドル、1Cドル=約110円)を投じ、最大3,000人の雇用が見込まれている。

同社の発表に合わせ、カナダ政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますケベック州政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも公的支援について明らかにした。両政府はノースボルトに対し、米国のインフレ削減法(IRA)の先進製造業生産控除に匹敵する、1kWh当たり最大35米ドルに相当する生産支援を提供する。奨励金は最大46億Cドルで、そのうち3分の1はケベック州政府が負担し、米国のIRAの優遇措置が有効である限り提供される。また、本プロジェクトへの設備投資に対し、カナダ政府が最大13億4,000万Cドル、ケベック州政府が最大13億7,000万Cドルの拠出を約束した。

ノースボルトは2023年8月、欧州と北米での事業拡大のための大規模資金調達を実施しており(2023年9月1日記事参照)、ケベック州に投資を決めたことが報じられていた(「グローブ&メール」紙9月26日)。カナダでは2022年以降、ホンダ(2022年3月17日記事参照)、ゼネラルモーターズ(GM、2022年4月6日記事参照)、ステランティス(2022年5月10日記事参照)、フォード(2023年4月18日記事参照)、フォルクスワーゲン(2023年4月24日記事参照)などが電気自動車(EV)やバッテリー生産に関連した投資について相次いで発表している。

(飯田洋子)

(カナダ、スウェーデン)

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