GM、カナダ・オンタリオ州でのEV生産に約20億カナダ・ドル投資、連邦・州政府も一部拠出

(カナダ)

トロント発

2022年04月06日

ゼネラルモーターズ(GM)カナダ(本社:オンタリオ州)は4月4日、2022年第4四半期(10~12月)からの電気自動車(EV)生産開始に向けて、オンタリオ州インガソールとオシャワの組み立て工場へ20億カナダ・ドル(約1,980億円、Cドル、1Cドル=約99円)以上を投じて工場を再編し、2,600人以上の新規雇用を創出予定であることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表に合わせ、カナダ連邦政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますオンタリオ州政府もそれぞれ2億5,900万Cドルの拠出を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。拠出金はGMカナダの投資計画の一部として充当される。

インガソールの組み立て工場は再編によりカナダ初の本格的な商用EV生産拠点となり、オシャワ工場では小型ピックアップ車の生産を追加し、同工場で大型ピックアップ車と両方を生産することで、北米市場の需要へ柔軟に対応することが可能になるという。

会見に出席したマリッサ・ウェストGMカナダ社長兼マネジングディレクターは「カナダ国内での本格的なEV生産は初めて」として、「2022年後半にはインガソール工場で商用EVブランド『ブライトドロップ』の生産を開始する予定だ。オンタリオ州政府とカナダ連邦政府とのパートナーシップは、GMが将来に向けてより多様で革新的、かつ持続可能な産業とEVサプライチェーンを構築するのに役立っている」とコメントした。同社オシャワ工場の生産部門ではGMが重視する職場の多様性を反映して、新規採用者の半数は女性になるという。

また、同席したフランソワフィリップ・シャンパーニュ・イノベーション・科学・産業相は「きょうの発表はカナダ国民にとって、さらなる雇用、クリーン車の普及、経済成長を意味する。GMがカナダの拠点へ継続的にコミットし、カナダ初のEV生産施設の設立を決定したことは、カナダが未来の自動車製造における世界的リーダーであることを浮き彫りにするものだ」とコメントした。

カナダでは、EVの生産移管に向けた投資が相次いでいる。GMは3月7日、韓国のポスコ・ケミカルと共同で5億Cドルを投じてケベック州に工場を建設し、EVに使われる電池の材料を生産する計画を発表したほか、16日にはホンダ・カナダがハイブリッド電気自動車(HEV)生産の基幹工場再編に向けて14億Cドルの投資を発表(2022年3月17日記事参照)した。さらに、23日には、ステランティスと韓国のLGエナジーソリューションがカナダ初の大規模リチウムイオン電池生産工場に50億Cドル以上を投資する合弁事業の設立を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

(飯田洋子)

(カナダ)

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