ホンダ・カナダ、オンタリオ工場に約14億カナダ・ドル投資、連邦政府と州政府も一部拠出

(カナダ)

トロント発

2022年03月17日

ホンダ・カナダ(本社:オンタリオ州)の一部門であるホンダ・オブ・カナダ・マニュファクチャリング(HCM)は3月16日、オンタリオ州アリストン工場を2023年に販売予定の新型クロスオーバーCR-Vハイブリッド電気自動車生産の基幹工場として再編させるため、6年間かけて13億8,000万カナダ・ドル(約1,297億円、Cドル、1Cドル=約94円)を投ずると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。HCMによると、この投資により同工場は2023年モデルの新型クロスオーバーCR-Vハイブリッド車生産で北米のリード工場になるという。

カナダのジャスティン・トルドー首相とオンタリオ州のダグ・フォード首相は同日、同工場を訪れ、連邦政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます州政府が同工場のハイブリッド車製造への再編に向けて、それぞれ1億3,160万Cドルを拠出すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。拠出金はHCMの投資計画の一部として充当される。

トルドー首相は「カナダ人による、よりクリーンな自動車の製造や乗車を支援することで、われわれ政府はより良い未来を作るという計画を実現している」とコメントし、フォード州首相も「未来の自動車がこの先何十年にもわたって、ここアリストンやオンタリオ州全域で作られることを知り、とてもうれしく思う」とホンダの投資計画を歓迎した。

また、ホンダ・カナダのジャン・マルク・ルクレール会長兼社長は「ホンダは、2040年までに北米の自動車販売台数の100%をバッテリー式電気自動車(BEV)にするという野心的なビジョンを掲げており、同工場への投資はホンダにとって重要なマイルストーンとなる」とコメントした。

カナダではここ数年、電気自動車(EV)生産体制移行への投資が活発化している。ゼネラルモーターズ(GM)は3月7日、韓国のポスコ・ケミカルと共同で4億ドルを投じてケベック州に工場を建設し、EVに使われる電池の材料を生産する計画を発表した。また、同社は2021年1月に、オンタリオ州インガーソルの工場を大規模商用EV製造工場へ転換するため10億Cドルを投じると発表している。

さらに、フォードは2020年9月、オンタリオ州オークビルの施設をEV製造用に改修するため18億Cドルの投資を発表(2020年10月1日記事参照)したほか、ステランティスも同年10月、ウィンザー組み立て工場に最大15億Cドルを投じてプラグインハイブリッド車とBEVの両方を組み立て、2025年に少なくとも1つの新モデルを生産する予定となっている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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