トヨタ、米テスラの充電ポート規格「NACS」採用を発表
(米国)
ニューヨーク発
2023年10月20日
トヨタの北米統括会社トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMNA)は10月19日、2025年からトヨタとレクサスのバッテリー式電気自動車(BEV)に北米充電規格(NACS)ポートを採用することでテスラと合意したと発表した。これにより、トヨタ車は北米で1万2,000台以上のテスラスーパーチャージャーにアクセス可能となる。
今回の合意に基づいてトヨタは2025年から、ケンタッキー州の工場で生産予定の3列シートの新型スポーツ用多目的車(SUV)を含むトヨタとレクサスのBEVの一部にNACSを組み込む。また、複合充電システム(CCS)を搭載する車両には、NACSでの充電を可能にするアダプターを提供する予定だ。トヨタは2025年までにノースカロライナ州でEV用バッテリーの製造開始を予定するなど(2023年6月2日記事参照)、米国での電動化を加速させている。
米国での充電器不足はEV普及を妨げる要因となっている。JDパワーの調査によると、EV購入をためらう最大の理由に、回答者の約半数が充電器の不足を挙げている。さらに、エネルギー省の発表データによると、現在全米で敷設されている充電器の約6%が利用できない状態になっているなど、保守点検の問題も大きい(ケリーブルーブック10月13日)。その中でもテスラのスーパーチャージャーは比較的信頼性が高いこともあって、6月には自動車技術者協会(SAE)がNACSを標準化すると発表したほか(2023年6月30日記事参照)、ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、ホンダ、日産をはじめ、主要な自動車メーカーが続々とNACSの採用を発表している(2023年9月11日記事参照)。
(大原典子)
(米国)
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