タイFDA、優良輸入業者の通関検査を大幅に簡素化

タイ保健省食品・医薬品事務局（FDA）は2023年9月19日、バンコク都内で「CHANGE FOR THE BETTER」と題するイベントを開催し、（1）優良な輸入業者については食品や医薬品などの通関検査を大幅に簡素化・迅速化するとともに、（2）輸入手続きの電子化を推進する方針を示した。

イベントは主に、在タイの各国大使館など外国政府機関の職員を対象として行われた。会場内に設置されたパネルでFDA各部局の業務改善に関する解説を行うとともに、ステージ上ではFDA事務局長や担当幹部によるプレゼンテーションが行われた。

優良輸入業者の通関検査を大幅に簡素化するGIP施策

イベントの目玉として、優良な輸入業者については、FDA検査所における食品や医薬品などの通関検査を大幅に簡素化・迅速化する「GIP施策」（Good Importing Practices）が発表された。具体的には、過去の違反履歴などに応じて輸入業者を3つのカテゴリーに分類し、優良な輸入業者に対しては通関検査の簡素化・迅速化（注）などの優遇措置を取り、ハイリスクな輸入業者に対しては厳格な検査を行う。優良な輸入業者として認定を受けるには、輸入業者からFDAに申請を行ったうえで査察を受ける必要がある。FDAの発表によれば、8月29日時点で認定を受けているのは17社で、FDAは今後認定数を増やしていく方針。

詳細については添付資料1およびFDAウェブサイトを参照のこと。

輸入手続きの電子化を推進

同時に、タイ社会のデジタル化の一環として、輸入手続きの電子化を推進する方針をあらためて強調した。例えば食品の輸入に関しては、通常は通関時にFDA検査所で提示するGMP証明書について、事前に電子システムに登録しておけば、輸入業者が検査所までGMP証明書を持参しなくても手続きを進めることができるようになる（2023年8月25日記事参照）。

詳細については添付資料2およびFDAウェブサイトを参照のこと。

（注）タイ輸出支援プラットフォームがFDAに確認したところ、簡素化されるのはあくまでFDAが行う検査で、農業協同組合省農業局（DOA）、畜産局（DLD）、水産局（DOF）などが行う検査はこれまでどおり実施されるとのこと。

（谷口裕基）