米テネシー州、電解液メーカーの韓国エンケムの製造拠点設立を発表

(米国、韓国)

アトランタ発

2023年07月04日

米国テネシー州のビル・リー知事(共和党)は6月26日、韓国の大手電解液メーカーであるエンケムが同州ヘイウッド郡ブラウンズビルに電解液の製造拠点を設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。投資額は1億5,250万ドルで、新たに190人を雇用する予定だ。

エンケムはすでに、ジョージア州、ミシガン州、ケンタッキー州、オハイオ州の4カ所に米国内の製造拠点を有している。新工場では、電気自動車(EV)バッテリー用電解液の製造やEVバッテリー関連のサービスを行う。新工場の設立により、エンケムは米国南東部全域のEV関連のビジネスパートナーに対してさらなるサポートが可能になるという。

リー知事は「エンケムがテネシー州に1億5,000万ドル以上の投資を決定したことは、テネシー州の比類ないビジネス環境、高度に熟練した労働力、自動車産業のリーダーとしての地位を証明するものだ」とコメントしている。テネシー州経済開発庁(TNECD)のスチュアート・マクホーター長官は「韓国はテネシー州の対内直接投資トップ10の1つであり、エンケムのような世界的ブランドがわれわれの州を信頼してくれていることを誇りに思う。同社はテネシー州全体のEVサプライチェーンを強化するだろう」と述べた。また、エンケムのオ・ジュンカン最高経営責任者(CEO)は「ここ数年のEV市場の成長は実に目覚ましく、あらゆる兆候から、この傾向は今後10年間にわたって加速度的に続くと思われる。将来を見据えた時、当社はEV市場の成長をさらに生かすことができる立場にあると確信している」と述べた。

なお、テネシー州には、ゼネラルモーターズ(GM、2020年10月22日記事参照)、日産自動車(2021年9月14日付地域・分析レポート参照)、トヨタ自動車(2022年4月21日記事参照)、フォルクスワーゲン(2022年7月27日記事参照)のEV・ハイブリット車関連工場があり、フォードのEV工場(2021年9月29日記事参照)も操業予定だ。また、OEM(完成車メーカー)に加えて、タイヤ大手のブリヂストンやハンコックタイヤなど900社以上のサプライヤーが進出している(トーマスネット6月28日)。

(吉田祥子)

(米国、韓国)

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