独VW、米国で同社初となるEV生産開始

(米国、ドイツ)

アトランタ発

2022年07月27日

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の米国法人は726日、米国テネシー州チャタヌーガの工場でコンパクトスポーツ用多目的車(SUV)タイプの電気自動車(EV)「ID.4」の生産を開始した。同社にとっては、米国で生産する初のEVとなる。早ければ202210月に米国市場に登場する予定だ。

同社は20191月、投資額8億ドルでチャタヌーガ工場にEV生産施設を建設すると発表していた。年間25万台の生産能力を持つ同工場では、現在、パサート米国仕様車、アトラス、アトラス・クロス・スポーツの3車種を生産している。今後は、容量82キロワット時(kWh)のバッテリーを搭載したID.4の後輪駆動と全輪駆動モデルを生産し、さらに2022年後半には、容量62キロワット時のバッテリーを積む後輪駆動モデルも加わる予定だ。2022年第4四半期には月間7,000台を生産し、2023年以降は生産台数を増やしていく。

同社にとってチャタヌーガ工場は、世界で6番目のEV生産工場となる。従来の従業員3,800人に加え、現在、EV生産に備えて大規模ジョブ・フェアなどを実施し1,000人以上の新規採用を進めている。また、バッテリー駆動車両と高電圧システムに関する従業員トレーニングを75,000時間以上実施してきた。

フォルクスワーゲンの発表によれば、今回生産が開始されたID.4の材料や部品は、米国を中心に主に北米地域内で調達されるという。バッテリー調達については、ジョージア州に進出している韓国系のSKイノベーションから供給を受ける。

(高橋卓也)

(米国、ドイツ)

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