米メンロー・マイクロシステムズ、NY州に国内初の製造拠点を設立、投資額は最大1.5億ドル

(米国)

ニューヨーク発

2023年07月13日

微小電子機械システム(MEMS)スイッチの製造を手掛けるメンロー・マイクロシステムズ(本社:カリフォルニア州アーバイン)は7月11日、ニューヨーク(NY)州に最大1億5,000万ドルを投じて、MEMSスイッチの製造拠点を設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

メンローは第1段階として、今後3年間で5,000万ドルを投じて、NY州トンプキンス郡イサカに米国内で初となるMEMSスイッチの製造施設を設立する。その後も拡張投資を想定しており、合計投資額は最大で1億5,000万ドルになると見込まれている。同社の投資計画によると、イサカの新施設ではNY州が、122人の新規雇用創出を条件に、最大で650万ドルの税額控除を決定している。キャシー・ホークル知事(民主党)は、同州選出で連邦議会上院トップのチャック・シューマー院内総務(民主党)とともに、メンローの投資を歓迎する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出した。同声明では、「同社のMEMSスイッチは、マイクロエレクトロニクス産業にとって不可欠な要素であり、国内の半導体産業の成長を支えている。これらは航空宇宙、エネルギー、通信、重要インフラ分野など幅広い用途にも使われている」との言及があり、その重要性を指摘している。同社のラス・ガルシア最高経営責任者(CEO)は、今回の施設現代化プロジェクトを「半導体製造業を米国に呼び戻すというジョー・バイデン大統領の取り組みに100%合致したものだ」と述べた。

半導体関連の国内投資への補助金予算を含む「CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)」(注)と、NY州独自の半導体産業の誘致策「グリーンCHIPSプログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が成立した2022年夏以降、NY州では相次いで半導体関連の投資計画が発表されている。規模の大きい案件では、メモリ半導体大手のマイクロンが、今後10年で最大1,000億ドルを投じて半導体製造工場を設立・稼働させる計画を発表したほか(2022年10月6日記事参照)、ロジック半導体大手のIBMも、今後10年でハドソン川流域に200億ドルの投資を行うと発表している(2022年10月11日記事参照)。外国企業でも、英国の真空製品大手エドワーズが半導体ドライポンプの工場新設を発表している(2022年11月4日記事参照)。

(注)米国内での半導体産業振興のために、5年間で約527億ドルの予算を確保した法律。投資企業への資金援助プログラムは、商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが運営している(2023年6月26日記事参照)。

(磯部真一)

(米国)

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