米半導体大手マイクロン、NY州での工場新設に1,000億ドルの投資を発表

(米国、日本)

ニューヨーク発

2022年10月06日

米国の半導体大手マイクロンテクノロジーは10月4日、今後20年以上をかけてニューヨーク(NY)州クレイで大型工場を建設するために、最大で1,000億ドルの投資を行うと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。その第1段階として、2020年代末までに200億ドルを投資するとしている。NY州における民間投資としては過去最大規模とされる。

同社によると今回の計画は、向こう10年をかけて同社の先端DRAMメモリ生産量全体に占める米国産の割合を40%まで引き上げる戦略の一環とされる。2024年から建設に着手し、2020年代後半から稼働する予定だ。約9,000人の直接雇用を含めて、5万人の新規雇用を創出するとしている。同社のサンジェイ・メロートラ最高経営責任者(CEO)は「バイデン大統領と同政権がCHIPSおよび科学法(以下、CHIPSプラス法)に優先的に取り組み、シューマー上院議員(民主、NY州)と議会の超党派議員が法案を可決したことを喜ばしく思う」とし、今回の投資の意義について「半導体産業を超えて、米国の技術的リーダーシップおよび経済・国家の安全保障を強化し、米国のイノベーションと競争力を今後数十年にわたって後押しするだろう」との声明を出している。なお、発表によると、NY州からは既に55億ドルのインセンティブが提供されることが決定しており、連邦政府からもCHIPSプラス法に基づく助成金および税額控除の提供が見込まれている。

ジョー・バイデン大統領は今回の発表を受けて、「本日の発表は米国にとって新たな勝利であり、私の経済計画に刺激された大規模な新規投資がまた生まれた」と歓迎の声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。CHIPSプラス法は2022年8月に成立しており、現在は商務省が中心となって補助金制度の運用開始に向けた準備を進めており、2023年2月までに、企業からの申請受け付けを開始する見込みとされる(2022年9月8日記事参照)。

なお、マイクロンテクノロジーは2022年9月30日に、広島の生産拠点における先進的なDRAMメモリの製造能力強化の計画に関して、日本政府から認定され、最大約465億円の助成金の交付を受ける予定と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。本発表に際して、ラーム・エマニュエル駐日米国大使は「経済産業省、マイクロン、そして世界中の半導体製造業界にとって画期的な出来事」とし、「サプライチェーン強靭(きょうじん)化の重要な第一歩であり、われわれの経済および国家の安全保障を強化することにつながると期待する」との声明を出している。いわゆる重要製品の供給網を同盟国で構築する「同盟国移転(allied shoring)」の一環とみられる。今後も半導体をはじめ安全保障上重要な分野での戦略的な投資の動きが出てくると予想される。

(磯部真一)

(米国、日本)

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