中央アジア諸国、湾岸諸国との経済協力を加速
(中央アジア、中東)
タシケント発
2023年07月25日
サウジアラビアのジッダで7月19日、湾岸協力会議(GCC)6カ国と中央アジア5カ国による初の首脳会議が開催された。輸送、エネルギー、貿易分野などでの経済協力の継続的拡大と、共同投資促進の重要性を強調する共同声明を採択した(2023年7月21日記事参照)。カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は今回のサミットを両地域間の協力を新しい段階に引き上げるものと述べ、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は同首脳会議の開催を「歴史的」と評した。
全ての中央アジアの大統領は湾岸諸国からの投資を歓迎する姿勢を示した。ミルジヨエフ大統領とタジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領は、湾岸諸国の投資基金や金融機関を積極的に活用する意向を表明し、湾岸諸国によるグリーンエネルギー分野などへの投資を呼びかけた(2023年6月23日記事参照)。トカエフ大統領は、投資協力の活性化を重要項目の1つに挙げ、同国のアスタナ国際金融センターの活用を呼びかけた。2023年第4四半期(10~12月)にはサウジアラビアで、GCC・中央アジア諸国投資フォーラムが開催される予定だ。キルギスのサディル・ジャパロフ大統領とトルクメニスタンのセルドル・ベルディムハメドフ大統領は2024年夏の第2回となる同フォーラム開催地に立候補した。
物流分野では、中央アジア各国首脳は自国が進める輸送ルートの開発事業(2023年5月10日記事参照、2022年3月7日記事参照、2022年9月6日記事参照)に、湾岸諸国の積極的な参加を呼びかけた。
貿易分野では、カザフスタンが農・工業製品、ウズベキスタンは農産物の湾岸諸国向けの供給・多様性を増やす意向を表明し、規制や制度の調和の必要性や湾岸諸国との自由貿易圏創設などを提案している。
観光分野では、湾岸諸国から中央アジアへの観光客誘致と観光の共同開発促進に向け、ウズベキスタンとキルギスの大統領が中央アジアと湾岸諸国との間でのビザ撤廃を提案した。
次回会合は2025年にウズベキスタンのサマルカンドで開催される予定。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(中央アジア、中東)
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