韓国の現代自動車とLGエナジーソリューション、米ジョージア州にEV用バッテリーの合弁会社設立

(米国、韓国)

アトランタ発

2023年06月05日

韓国の現代自動車グループとLGエナジーソリューション(LGES)は5月26日、米国に電気自動車(EV)用バッテリーセルを製造する合弁会社を設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。出資比率は50%ずつで、総額43億ドル以上を投ずる予定だ。

合弁会社の新工場は米国ジョージア州で建設中の現代自動車グループのメタプラント・アメリカ(HMGMA、2022年5月23日記事参照)に隣接する予定で、年間生産能力は30ギガワット時(GWh)、年間30万台のEV生産に対応できるとしている。同工場は2023年下期に建設し始め、早ければ2025年末にバッテリー生産を開始する計画だ。発表では言及されていないが、2025年末までに3,000人を新規雇用する見込みだ(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版5月26日)。

LGESは「新工場でバッテリーの安定供給を実現することで、米国市場でのEV需要の急増に迅速に対応できるようになる」と述べている(「KHON2」5月26日)。現代自動車グループの現代モービスは、2022年11月にジョージア州ブライアン郡での工場建設を発表しており(2023年1月12日記事参照)、今回の新工場で生産するセルを用いて、バッテリーパックを組み立てる予定だ。その後、同グループの米国製造拠点にバッテリーパックを供給し、現代自動車、起亜、ジェネシスのEVモデルに搭載する。

現代自動車のチャン・ジェフン最高経営責任者(CEO)は「LGESとEVバッテリーセルの新工場を設立することで、世界のEV化をリードするための強力な基盤を構築する」と述べた。また、LGESのクォン・ヨンスCEOは「自動車業界とバッテリー業界の強力なリーダーの2社が手を組み、米国のEV化を推進する準備が整った」と述べた。

ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共和党)はツイッターを通じて、「今回の新工場建設は、2022年にジョージア州がHMGMAを誘致したときに思い描いていたとおりで、ジョージア州がEV中心地になる最新のマイルストーンだ」と述べた。ケンプ知事の広報担当者によると、今回発表した投資額と新規雇用者数は、HMGMAの建設発表時に公表した55億ドルの投資と8,100人の新規雇用の内数だという。

ジョージア州では、2021年12月に新興EVメーカーのリビアンが50億ドルを投じて工場を建設すると発表して以降(2021年12月21日記事参照)、HMGMA、現代自動車とSKオン(2022年12月13日記事参照)、現代自動車のサプライヤーのセオハン・オート・ジョージア(2023年4月13日記事参照)、ハノンシステムズ(2023年5月29日記事参照)などが工場の建設を明らかにしており、大型投資が続いている。

(吉田祥子)

(米国、韓国)

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