米ジョージア州で現代自動車とSKがEVバッテリー工場建設、韓国系企業のEV関連投資加速

(米国、韓国)

アトランタ発

2022年12月13日

米国ジョージア州のブライアン・ケンプ知事は12月8日、韓国の現代自動車グループとSKオン(注)が新たに電気自動車(EV)用バッテリー合弁工場を建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新工場は同州北西のバートウ郡に建設予定で、2025年の稼働開始を目指す。3,500人以上の雇用を創出し、投資額は40億~50億ドルを見込んでいる。

現代自動車グループとSKオンは新工場建設の発表に先立って11月29日に、米国で2025年以降に生産する現代自動車グループのEV向けのバッテリー供給に関する覚書(MOU)を締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた。今回発表した新工場で生産する予定のバッテリーは、ジョージア州南西にある現代自動車グループ傘下の起亜の工場や、アラバマ州にある現代自動車の工場など、米国内のグループ工場向けに納品する計画だ。

現代自動車、SKオンの両社はジョージア州でのEV・バッテリー事業を急速に進めている。現代自動車は2022年5月に東海岸サバンナ港の近郊にEV・バッテリー工場の建設を発表している(2022年5月23日記事参照)。投資額55億4,000万ドルとジョージア州史上最大の投資プロジェクトとなる同工場の建設工事が10月下旬に着工したばかりだ。11月23日にはグループ傘下のサプライヤー現代モービスが9億2,600万ドルを投じて同地域にEV用電力システムと現代が開発した統合充電システム(ICCU)の製造工場を建設することも発表している。

SKオンは、ジョージア州北東のジャクソン郡コマース市に既に2つのEV用バッテリー工場「SKバッテリーアメリカ」を建設している。SKバッテリーアメリカでは現在2,000人以上を雇用しており、2022年に入って生産を開始、2023年初めにはフル生産を見込んでいる。

ジョージア州政府によると、2020年以来、同州にはEV関連の事業で約170億ドルの投資と2万2,800人以上の雇用が発表されている。ここにさらに韓国系企業による大型の投資と雇用が加わることとなった。

ケンプ知事は発表で「現代自動車グループとSKオンは、ますます成長するジョージア州の自動車産業に貴重なパートナーで重要な存在」と両社を称賛し、「知事としての初日から、これまで見落とされていた州内各地のコミュニティーに雇用と機会をもたらすことに注力してきた」と語った。なお、ケンプ知事は11月8日に中間選挙と同日に行われた知事選で、再選を確実にしている(2022年11月10日記事参照)。

(注)SKイノベーションがリチウムイオンバッテリー事業を独立させ、2021年10月1日に新会社SKオンが発足した。

(石田励示)

(米国、韓国)

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