ウィクラマシンハ・スリランカ大統領が訪日、岸田首相やラオス主席と会談
(スリランカ、日本、ラオス)
アジア大洋州課
2023年05月30日
5月24~27日の日程で訪日していたスリランカのラニル・ウィクラマシンハ大統領は25日、岸田文雄首相と会談した。会談内容は次のとおり。
- 岸田首相はスリランカとの「包括的パートナーシップ」のさらなる発展と、2国間関係のより一層の深化を希望した。
- 岸田首相は法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を含むG7広島サミットの成果や、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の新プランについて説明した。ウィクラマシンハ大統領はG7サミットの成功に祝意を表明。
- 両首脳は、スリランカの債務問題について協議し、全ての債権国が参加する透明かつ公平な債務再編の重要性を確認した(注、2023年3月22日、2023年4月5日、2023年5月9日記事参照)。ウィクラマシンハ大統領は日本の貢献に謝辞を述べた。
- 地域情勢や軍縮・不拡散など国際的な課題についても意見交換を行った。
同大統領は25日、日経フォーラム第28回「アジアの未来」で講演した。その中で、スリランカが高いレベルの経済自由化を志向していることに触れ、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定への加盟を申請すると述べた。同国の深刻な経済危機(2023年5月18日付地域・分析レポート参照)についても触れ、IMFとの交渉の遅延や、減税による税収減などの複合的要因を挙げつつ、時間こそが問題解決のカギとなるとした。
大統領は同日夕には、ラオスのトンルン・シースリット国家主席とも会談し、インフラ投資の促進をはじめ、両国間の連携強化を確認したもよう。
(注)同国最大の2国間融資元で、オブザーバーとして参加した中国が念頭にあるとされる(2023年5月25日記事参照)。
(寺島かほる、河野将史)
(スリランカ、日本、ラオス)
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