アフリカの2022年の個人資産総額は2兆4,000億ドル

英国のコンサルティング会社ヘンリー＆パートナーズと、南アフリカ共和国の調査会社ニュー・ワールド・ウェルスは3月28日、アフリカの個人資産の保有状況などをまとめた「アフリカ・ウェルス・レポート2023」を発表した。

同報告書によると、2022年12月時点でアフリカの不動産・現金・株式などを含む個人資産の総額は2兆4,000億ドルで、2021年の2兆1,000億ドルから増加した（2022年5月18日記事参照）。国別の伸びを見ると、2012年と比べて、ルワンダが72％増、モーリシャスが69％増、セーシェルが54％増となり、急速に成長している。

アフリカで100万ドル以上の資産を保有する富裕者は2022年12月時点では13万8,000人で、10年前と比べて12％減だったが、10年後の2033年には42％増の約20万人まで増加する見込みだ。国別では、南アが1位で全体の約3割を占め、エジプト、ナイジェリア、ケニア、モロッコを含む上位5カ国で56％を占める。

【アフリカの国別の100万ドル以上の資産保有者数（2022年12月末）】

• 南ア：3万7,800人（2012年比21％減）
• エジプト：1万6,100人（同25％減）
• ナイジェリア：9,800人（同30％減）
• ケニア：7,700人（同30％増）
• モロッコ：5,800人（同28％増）
• モーリシャス：4,900人（同69％増）
• アルジェリア：2,800人（同26％減）
• エチオピア：2,700人（同23％増）
• ガーナ：2,600人（同24％増）
• タンザニア：2,400人（同20％減）

1人当たり保有資産では、モーリシャスが3万7,500ドルで1位、次いで南ア1万880ドル、ナミビア1万50ドルの順だった。国別の保有資産では、モーリシャスは480億ドル、ナミビアは260億ドルだが、南アは6,450億ドルと10倍以上も多い。

また、アフリカの都市別の富裕者数順位でも、南アの都市が多く、1位ヨハネスブルク、3位ケープタウン、6位ダーバン、8位プレトリアとなっている。他国も含めると、エジプトのカイロが2位、ナイジェリアのラゴスが4位、ケニアのナイロビが5位にランクインする（2022年9月26日記事参照）。

（井澤壌士）