石油・ガス産出国において富裕層が増加

(アフリカ、中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ナイジェリア)

中東アフリカ課

2022年09月26日

英国コンサルティング会社のヘンリー&パートナーズは9月13日、世界の都市別の富裕層に関する報告書「Henley Global Citizens Report外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2022年第3四半期版)」を公表した。同報告書よると、2022年は原油価格の高騰を受け、石油・ガスの産出国において、保有財産100万ドル以上のいわゆるミリオネアが増加したという。

都市別のミリオネアの増加率をみると、サウジアラビアのリヤドとアラブ首長国連邦(UAE)のシャルジャが約20%増で世界最大の伸びとなった。そのほか、ドバイおよびアブダビ(UAE)、ルアンダ(アンゴラ)、ドーハ(カタール)、ラゴス(ナイジェリア)などの石油・ガスの産出国の都市において、富裕層が拡大した。

中東・アフリカにおいて、ミリオネアの総数をみると、石油・ガスのほか、金融、ホテル、不動産など複数の産業に強みがあるドバイが最大となる約6万7,900人だった。ドバイのミリオネア総数は、2022年時点で世界23位だが、2030年までに20位以内に入ると予測される。世界では1位がニューヨーク(約35万人)、2位が東京(約30万人)、3位がサンフランシスコ(約28万人)となった。

アフリカでは、経済規模が大きい南アフリカ共和国、人口の多いエジプトやナイジェリアなどの都市でミリオネアが多い。また、産油国以外の都市では、ミリオネアの減少がみられた。中東・アフリカにおけるミリオネア総数が多い都市は以下のとおり。

【中東の都市別ミリオネア総数順位】

  • ドバイ(UAE):6万7,900人(前年比18%増)
  • テルアビブ(イスラエル):4万2,400人(7%減)
  • アブダビ(UAE):2万3,800人(16%増)
  • ドーハ(カタール):2万1,300人(12%増)
  • リヤド(サウジアラビア):1万7,200人(20%増)

【アフリカの都市別ミリオネア総数順位】

  • ヨハネスブルク(南ア):1万5,200人(5%減)
  • カイロ(エジプト):7,800人(5%減)
  • ケープタウン(南ア):6,800人(2%減)
  • ラゴス(ナイジェリア):6,300人(15%増)
  • ナイロビ(ケニア):5,000人(7%減)

(井澤壌士)

(アフリカ、中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ナイジェリア)

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