アフリカ大陸の個人資産総額、2021年末で2兆1,000億ドル、10年間で38%増の見込み

(アフリカ)

中東アフリカ課

2022年05月18日

英国コンサルティング会社のヘンリー&パートナーズと、南アフリカ共和国の調査会社ニュー・ワールド・ウェルスは4月26日、アフリカの個人資産などをまとめた「アフリカ・ウェルス・リポート2022」を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

同報告によると、2021年12月時点でアフリカ大陸の個人資産(注)の総額は2兆1,000億ドルで、今後10年間で38%増加する見込みだ。アフリカで10億ドル以上の個人資産保有者は21人、1億ドル以上が305人、100万ドル以上は13.6万人だった。ただし、2011年と2021年を比較すると、アフリカの総資産は7%減少しており、この傾向は南ア、エジプト、ナイジェリア、アンゴラなどの経済主要国で顕著だ。特に南アで資産が減少している理由について、(1)通貨安、(2)現地不動産市場の低調、(3)現地の中小企業の廃業、(4)富裕層の国外移住を挙げている。

国別にみると、個人資産の総額が最も高いのは南ア(6,510億ドル)で、次いでエジプト(3,070億ドル)、ナイジェリア(2,280億ドル)、モロッコ(1,250億ドル)、ケニア(910億ドル)だった。1人当たりの総資産が多い国はモーリシャス(34,500ドル)、南ア(10,970ドル)、ナミビア(9,320ドル)、ボツワナ(7,880ドル)、モロッコ(3,380ドル)だった。

同報告書は今後10年間の総資産の成長率も予測している。最も高いのはモーリシャス(74%)で、ルワンダ(60%)、エチオピア(52%)、ウガンダ(50%)、ケニア(43%)の順だった。モーリシャスが好調の理由について、整ったビジネス環境と、税金が低く、相続税やキャピタルゲイン税がないこと、安定した治安などが挙げられた。

(注)同報告書では、個人資産を「個人が所有する全ての資産(財産、現金、株式、事業権)を含み、負債を差し引いたものと定義している。

(小林淳平)

(アフリカ)

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