カナダ政府、2023年度連邦予算を発表、新政策向けに2027年度までに673億カナダ・ドルを拠出

カナダのクリスティア・フリーランド副首相兼財務相は3月28日、「メード・イン・カナダの計画：強い中間層、納得のいく経済、健全な未来」と題した2023年度（2023年4月～2024年3月）連邦予算案を下院議会に上程した。

予算案では、歳入は前年度比4.5％増の4,568億カナダ・ドル（約45兆2,232億円、Cドル、1Cドル＝約99円）、歳出は4.3％増の4,905億Cドルを見込む（添付資料表参照）。財政収支は、前年度に比べ6.7％減の401億Cドルの赤字（GDP比1.4％）で、2027年度までに140億Cドルの赤字（GDP比0.4％）へ縮小する見通しだが、2022年11月の「秋の経済声明」発表（2022年11月11日記事参照）時の45億Cドルの黒字の想定と比べると悪化している。累積債務残高も、2023年度のGDP比43.5％（1兆2,208億Cドル）から、2027年度には同39.9％（1兆3,125億Cドル）への減少を見込むが、同様に「秋の経済声明」での37.3％（1兆2,467億Cドル）に比べると拡大している。

2023年度の新政策としては、2027年度までで総額673億Cドルの拠出を見込む。予算案ではその解説に5章が割かれ、 (1)「生活をより豊かにし、中間層を支える」に52億Cドル、(2) 「保健医療への投資と手頃な歯科医療」に313億Cドル、（3）「メード・イン・カナダ・プラン： 手頃なエネルギー、良い仕事、成長するクリーンエコノミー」に209億Cドル、（4）「和解を進め、すべての人のためのカナダを築く」に91億Cドル、（5）「世界におけるカナダのリーダーシップ」に7億Cドルを充当している。

予算案の詳細や、発表を受けたカナダ商工会議所（CCC）の反応については、2023年4月7日記事参照。

（飯田洋子）